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古今和歌集を読む

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古今和歌集(こきんわかしゅう)から親しみやすい歌を読みます。やさしい解説付き。ちょっぴり優雅な言葉の時間をあなたに。
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2019年7月の記事一覧

思ふには忍ぶることぞ負けにける色には出でじと思ひしものを(読人しらず)

#読人しらず #古今和歌集 0503 #jtanka #短歌 #恋 いとしく思う心には、こらえる心が負けてしまいました。恋心は表に出すまいと思っていたのですけれどねえ。 「思ふ」は「恋しく思う」や「いとしく思う」の意味。 「ぞ……ける」は係り結び。 「忍ぶる」はバ行上二段活用の動詞「忍ぶ」の連体形。〔び・び・ぶ・ぶる・ぶれ・びよ〕 「色には出でじ」は「色+には+出で+じ」。「色に出づ」の形で「恋心が表情やそぶりとなって表に出る」の意。「出で」は下二段活用の他動詞「出