古今和歌集を読む

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花筐(はながたみ)めならぶ人のあまたあれば忘られぬらむ数ならぬ身は(読人しらず)

花筐(はながたみ)めならぶ人のあまたあれば忘られぬらむ数ならぬ身は(読人しらず)

#読人しらず #古今和歌集 754 #jtanka #短歌 #恋 あなたには、花籠の編み目がぎっしり並ぶようにたくさんの見比べる人がいますから、きっと忘れられてしまうでしょうね、取るに足りない私などは。 「花筐(はながたみ)」は「花籠(はなかご)」。編み目が細かく並んでいることから「めならぶ」の枕詞になっている。 「めならぶ」はバ行四段動詞「目並ぶ」の連体形。「見比べる」の意味。 「あまたあれば」は「あまた+あれ+ば」。「あまた」は副詞「数多(あまた)」で「たくさん・

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わがごとく我をおもはむ人も哉さてもや憂きと世を心見む(凡河内躬恒)

わがごとく我をおもはむ人も哉さてもや憂きと世を心見む(凡河内躬恒)

#凡河内躬恒 (おおしこうちのみつね) #古今和歌集 750 #jtanka #短歌 #恋 私が恋い慕うのと同じように私のことを恋い慕ってくれるような人がいればいいのになあ。そんな人がいても恋はやるせないものなのか、試してみたい。 「おもはむ人」の「む」は婉曲を表す助動詞「む」で、「私のことを恋い慕ってくれるような人」の意味。 「哉(がな)」は願望を表す終助詞で「……がほしいなあ」や「……があればなあ」の意味。 「さてもや憂き」の「さても」は「そうであっても」の意味の

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みても又またも見まくの欲しければなるゝを人は厭ふべらなり(読人しらず)

みても又またも見まくの欲しければなるゝを人は厭ふべらなり(読人しらず)

#読人しらず #古今和歌集 752 #jtanka #短歌 #恋 逢っても逢ってもまたさらに逢いたくなるので、逢うのがあたりまえになるのをあなたは避けているのでしょうね。 「見まくの欲しければ」は「見まく欲しければ」に同じ。「見まく欲し」は「見たい、逢いたい」の意味。 「なるる」はラ行下二段活用動詞「慣る・馴る」の連体形〔れ・れ・る・るる・るれ・れよ〕。「馴れ親しむ。なじむ」の意味。 「厭ふ」はハ行四段活用動詞「厭ふ」の終止形。「嫌って避ける」という意味。 「べらな

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反実仮想と恋の歌(古今和歌集を読む)

反実仮想と恋の歌(古今和歌集を読む)

夢だとわかっていたならば……新海誠監督の映画『君の名は。』は有名ですが、企画段階での仮題が『夢と知りせば』だったと先日知りました。  思ひつつ寝(ぬ)ればや人の見えつらむ夢としりせば覚めざらましを  古今和歌集552 小野小町(おののこまち) に着想を得たのだそうです。 現代語に翻訳するなら、次のようになります。 あの人のことを思いつつ眠るので、あの人のことを夢に見てしまったのだろうか。あれがもし夢だとわかっていたなら目を覚まさかったのに。 反実仮想古文の授業でも習

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思ひつつ寝(ぬ)ればや人の見えつらむ夢としりせば覚めざらましを(小野小町)

思ひつつ寝(ぬ)ればや人の見えつらむ夢としりせば覚めざらましを(小野小町)

#小野小町(おののこまち) #古今和歌集 552 #jtanka #短歌 #恋 あの人のことを思いつつ眠るので、あの人のことを夢に見てしまったのだろうか。あーあ、あれがもし夢だとわかっていたなら目を覚まさかったのになあ。 「寝ればや(ぬればや)」は「寝れ+ば+や」。「寝れ(ぬれ)」は下二段活用の動詞「寝(ぬ)」の已然形(ね・ね・ぬ・ぬる・ぬれ・ねよ)。「ば」は順接確定条件を表す接続助詞。「や」は疑問を表す係助詞(係り結びで「らむ」は連体形)。「寝ればや(ぬればや)」で「眠

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かたみこそ今はあだなれこれなくは忘るる時もあらましものを(読人しらず)

かたみこそ今はあだなれこれなくは忘るる時もあらましものを(読人しらず)

#読人しらず #古今和歌集 746 #jtanka #短歌 #恋 この思い出の品なんて、いまとなっては何の意味も無いもの、むしろ恨みの種ともいえるものです。この品がなければあの人のことを忘れる時もあるでしょうに。 「かたみ」は「思い出の品」。ここでは「遺品」ではなく「昔を思い出させる思い出の品」の意味。 「あだ」は「徒(あだ)」(実質がないもの、無駄なもの、はかないもの)と「仇(あた)」(恨みの種)の両方をかけている。 「こそ〜なれ」は係り結び。「なれ」は已然形。

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