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古今和歌集を読む

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古今和歌集(こきんわかしゅう)から親しみやすい歌を読みます。やさしい解説付き。ちょっぴり優雅な言葉の時間をあなたに。
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2021年8月の記事一覧

逢ふまでのかたみも我はなにせむに見ても心の慰まなくに(読人しらず)

#読人しらず #古今和歌集 744 #jtanka #短歌 #恋 逢うときまで(これを見て気分をまぎらわせて)というあなたとの思い出の品なんて、私にとっていったい何になるでしょう。何にもなりませんよ。あーあ、こんなものを見ても心が慰められることはないんですからねえ。 「かたみ」は「思い出すためによすがとなるもの」「思い出の品物」「思い出させる記念のもの」の意味。 「なにせむに」は「なに+せ+む+に」。「なに」は代名詞。「せ」はサ変動詞「す」の未然形。「む」は推量の助動詞

古典文学のどこが好き?

質問以前、古典文学を読んでいらっしゃるという結城先生のツイートを拝見しました。 私も詩歌(特に明治〜昭和のもの)の類を読むことが好きです。しかし、どうして詩歌を読むことが好きなのか、私はまったく分かりません。理由は分からないのに好きという、とてもモヤモヤした状況であります。 詩歌のような、言葉による芸術作品を好む理由を伺うのは野暮という意見もあると思います。しかし、結城先生が古典文学にどのような魅力を感じられていらっしゃるのか、ということについてご意見を伺いたく、質問いた