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片糸をこなたかなたによりかけてあはずは何を玉の緒にせむ

#読人しらず #古今和歌集 483 #jtanka #短歌 #恋

糸でひもを編むようにあちらこちらに気持ちを動かしてみても、あなたに逢わないとするなら、いったい私は何を命として生きていきましょうか。

「片糸(かたいと)」は、よりあわせる前の細い糸のこと。

「こなた(此方)」は「こちら側」のこと。

「かなた(彼方)」は「あちら側」のこと。

「あはず」は、「合はず」(糸がより合わされないこと)と「逢はず」(私とあなたが遭わないこと)とを掛けています。

「玉の緒(たまのを)」は、玉を貫くひものことで、「玉(たま)」を「魂(たま)」に掛けることで「命」や「生命」を表します。

ここでは、糸のことと恋するあの人への気持ちのことを同時に語っています。

細い片糸をあちらこちらに動かして玉を貫くひもとして合わせようとしてもうまくより合わせることができないなら、いったい何をもって玉を貫くひもとしましょうか。

あちらこちらに心を動かしあなたに思いを掛けても、あなたに逢えないとしたら、いったい私は何を命として生きていきましょうか。

かたいとを こなたかなたに よりかけて あはずはなにを たまのをにせむ
かたいとを こなたかなたに よりかけて あわずはなにを たまのおにせん


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結城浩

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本を書いて生活しています。著書は『数学ガール』『プログラマの数学』『数学文章作法』『暗号技術入門』など多数。詳しい活動内容は https://mm.hyuki.net/n/n5f00c9cd281c をご覧ください。2014年度の日本数学会出版賞を受賞しました。