「やりたいこと」対「できること」/意見を否定する相手/作業ログの処理ツール/相手がどう感じるかを大切に/
結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2020年3月31日 Vol.418
目次
・「やりたいこと」と「できること」のどちらを優先すべきか
・意見を否定されたときにイライラするのを直したい - コミュニケーションのヒント
・作業ログの処理ツールを考える - 結城浩の作業ログ
・相手がどう感じるかを大切に - 文章を書く心がけ
はじめに
結城浩です。
いつもご愛読ありがとうございます。
自宅作業とフィットネスウォッチの話。
最近の私は、ずっと自宅で作業をしています。人混みを避けるという意味もありますし、自宅での作業に慣れて作業ペースがうまくつかめたからでもあります。
先週の「結城メルマガ」Vol.417にも書きましたが、Fitbitというフィットネスウォッチが活躍しています。結城の運動不足を解消するために、毎時間250歩「歩け」と指示してくれることも、一万歩歩いたら画面に「花火」を上げて励ましてくれることもうれしいです。
彼女も同じフィットネスウォッチを付けていて、ときどき「私はもう7000歩まで来たよ」と言われます。私は「ぐぬぬ。私はまだ3000歩」と返します。自分の動きが定量化されるのは楽しいものです。
フィットネスウォッチのいい点は睡眠も定量化してくれるところ。毎日睡眠スコアをつけてくれて、朝になると「昨晩の睡眠スコアは81点です。良いです」や「昨晩の睡眠スコアは76点です。やや低いです」と教えてくれます。
点数が「やや低い」と言われると気になるので、いろいろ取り組みを考えます。
・カフェインの量を控えめにする
・定時に入眠する
・寝る直前に動画を見るのをやめる
誰かから指示されるよりも、自分の意思と選択で「こうすればもっと睡眠スコアが上がるかな?」とやってみる方がスムーズに進みますね。
そのようすを「結城浩のネットラジオ」でも書いてみました。
◆睡眠シリーズ | 結城浩のネットラジオ
環境の変化に合わせて、自分の変化も楽しんでいきたいと思います。
* * *
「圏論と学びをめぐる往復書簡」の話。
2019年末から始まった「圏論と学びをめぐる往復書簡」という企画が無事に完結しました。
『ベーシック圏論』を翻訳なさった土岡俊介さんと、毎月往復で手紙のやりとりをする……という形式で、 全部で四往復、No.01からNo.08までのお手紙が公開されています。
◆圏論と学びをめぐる往復書簡
結城は難しい話はできないので、主に「学び」に関して思ったことや「プログラミング」との関連について書き、土岡さんは数学の学び方について答えて下さったり、圏論のことを書いてくださったりしています。
土岡さんのお手紙は、数学の難しい部分については結城に理解できませんでした(残念です)が、多岐に渡る話題の中でいくつかの学ぶヒントと刺激をいただきました。四ヶ月に渡りお付き合いいただいた土岡さんに感謝します。
最近はだいぶさぼっていますけれど、また圏論の学習も再開したいですね。
* * *
では、今回の結城メルマガを始めましょう。
どうぞごゆっくりお読みください。
「やりたいこと」と「できること」のどちらを優先すべきか
質問
「自分がやりたいこと」ではなく「自分ができること」をするべきでしょうか。
回答
ご質問ありがとうございます。
まず最初に考えてほしいのですが、誰でも「できること」しかできません。だって、できたらそれは「できること」なんですからね。
注意すべきポイントは「自分が実際にできること」と「自分ではできないと思っているけど実際はできること」に差がある点です。
実際にどうなのか、つまり「現実」と、自分は状況をどう考えるか、つまり「認識」には差があることが多いものです。現実と認識の差をわきまえないと大切な機会を失ったり、逆に無謀なことに挑戦したりという結果になります。
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