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進捗が見えないときの二つの対処法(仕事の心がけ)

結城は、本を書くのに疲れると「何か本を書きたい」と思ってしまいます。

これって「本を書くのに疲れている」んじゃなくて、「本を書くのに憑かれている」んじゃないでしょうかね。

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そんな駄洒落はさておき、本を書くのに疲れているのに「本を書きたい」と思う理由はよくわかっています。それは、本を書いていて難しい局面にぶつかっているからなんです。

結城は、本がうまく書けているときに「自分を取り巻く状況を制御できている」と感じます。本を書くことが仕事ですから、それはあたりまえですね。状況を制御でき、事態を収拾でき、物事に対処できていると感じます。それは心を安定させます。

逆に、本がうまく書けていないとき(少なくとも進捗が見えないとき)、自分を取り巻く状況を制御できていないと感じます。それは心を不安にさせます。まずいぞ、まずいぞ……と。

そしてそのような不安を脱するための「もがき」の一つとして、「何か本を書きたい」という気持ちが生じるのです。つまり「何か(いま取り組んでいて困難に直面している以外の)本を書きたい」という気持ちなのですね。

そんなふうに自己分析ができていても、そう簡単には不安はなくなりません。なので、気分転換して自分をなだめたり、読者からのはげましメールを読んで心を鼓舞したりして、取り組むべき本をじわじわと進めていくしかありません。それが、私の仕事ですから。

「すべての遊びを振り切って仕事に向かうのがいい」という人もいるらしいです。でも、結城はあまりそうではないみたい。自分をうまく転がして、じわじわ進むのがいいようです。

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進捗が見えない仕事を進める工夫の一つは、

 「機械的に動く」

ことです。

自分がまるでロボットであるかのような気持ちになり、毎日決まった時刻に、決まった場所で、決まった作業を開始する。これは、進捗が見えない仕事を進める一法です。「習慣を味方につける」という方法ですね。特に、おっくうな仕事に着手するには「機械的に動く」のは効果的です。自分の「やだな」という内なる声を無視して、機械的に着手するのです。これは効きます。

進捗が見えない仕事を進めるときの別の工夫は、

 「他者に語る」

ことです。

仕事にどうにも進捗が見えないのには、重大な原因があるからかもしれませんよね。進捗が見えない重大な原因に、心の底では気付いている。でも、対処するのがいやなために、うまくいかない方法を自分で続けてしまう。そんな心理が(少なくとも結城には)あります。この場合には、うまくいってない状況を「他者に語る」のが非常に効きます。こういうところがうまくいってない、と正直に語れる他者をつかまえて、話を聞いてもらうのはかなりの有効打になるのです。

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・機械的にやる。習慣を味方につける。
・他者に語る。正直な話を聞いてもらう。

あなたがもし「進捗が見えない」なら、ぜひ、お試しください。

以上「進捗が見えないときの対処法」でした。

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結城浩のメールマガジン 2016年12月6日 Vol.245 より

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