君によりわが名は花に春霞野にも山にも立ち満ちにけり
読人知らず 古今和歌集675 #jtanka
あなたのせいで私の恋の噂はパッと広まってしまいましたねえ。それはまるで、花にかかる春霞が野にも山にもいっぱいに広がるように。
「名」は、ここでは「浮き名」のこと。
「立ち満ちにけり」の「立つ」は「浮き名が立つ」と「霞が立つ」の両方の意味がある。
「野」「山」「立つ」「満つ」は「霞」の縁語。
「けり」は詠嘆を表すラ変助動詞「けり」の終止形。「……てしまったなあ」という意味。
「けり」の活用は「けら|○|けり|ける|けれ|○」。
きみにより わがなははなに はるがすみ のにもやまにも たちみちにけり
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