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シンプルから生まれる豊かさ(日々の日記)

レゴのようにシンプルなブロックを組み合わせて、豊かな世界を生み出す。そういう発想が好きです。ゲームでいえば、オセロのようなものでしょうか。

子供の頃、コンピュータが好きで本をいろいろ読んでいました。その中に、CPUの命令セットを決める本があって、それを夢中になって読んだのを覚えています。基本となる命令セットが「たったこれだけ」なのに、どんな計算でも自由にできる。そんな事実にめまいがするほど感動しました(当時はチューリング完全という言葉は知りませんでした)。

数学でもそういう場面がよくありますね。いくつかの公理を使うことを認めるだけで、複雑で豊かな世界がそこから生まれ出る。そんな感動の場面です。

『数学ガール/フェルマーの最終定理』でテトラちゃんが、「要素数が二個の群は必ずアーベル群になること」や「要素数が素数の剰余環は必ず体になること」に感動します。あの感動には結城も非常に共感しますね。

その感動というのは、ひとことでいえば、

こんなに複雑な・美しい・豊かなものが、
こんなに単純なものから生まれてくるのか!

という感動だと思います。

そしてその感動を契機として、進む道は二つあります。

 ・ここから、さらに豊かな世界が生まれないだろうか
 ・豊かさを生み出すシンプルなものは、もっと他にないだろうか

この二つは、もちろん排他的なものではありません。

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結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2016年6月28日 Vol.222 より

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