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(梅の花を折りて人に贈りける)きみならで誰にか見せむ梅の花色をも香をも知る人ぞ知る(紀友則)

#紀友則 (きのとものり) #古今和歌集 038 #jtanka #短歌 #春

(梅の花を折って、あの人に贈ったときの歌)あなた以外の誰に見せましょうか、いえ、誰にも見せますまい、この梅の花を。この色の美しさも、この香りのすばらしさも、あなたにしかわからないのですから。

「きみならで」は「きみ+なら+で」。「きみ」は大切なあなたのこと。「なら」は断定の助動詞「なり」の未然形。「で」は打消の接続助詞。「あなた以外に」の意味。

「誰にか見せむ」は「誰+に+か+見せ+む」。「か」は反語の係助詞(文末は連体形)。「見せ」はサ行下二段活用の他動詞「見す」の未然形。「む」は意志を表す助動詞「む」の連体形。「誰に見せるだろうか、いや、誰にも見せるまい」の意味。

「色」には、色彩の意味もありますが、姿の意味もあります。

きみならで たれにかみせむ うめのはな いろをもかをも しるひとぞしる
きみならで たれにかみせん うめのはな いろをもかをも しるひとぞしる

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