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問いかけによる問題の解決(コミュニケーションのヒント)

何か問題が発生しているとき、単に頭ごなしに問題を指摘するだけでは解決に結びつきにくいものです。

状況を把握している人に対して根気よく問いかけをすることで、問題の原因を見つけたり、解決の糸口を見つけたりできる場合があります。

まずは、よくない例。「頭ごなしの問題指摘」です。

× 頭ごなしの問題指摘
上司「最近、バグ修正率が低くなっているな」
部下「はっ、気持ちを入れ替えて頑張ります」
上司「最近たるんでるんじゃないのか」
部下「いえ、そういうことはありません」
上司「私語が多すぎるんだろう。もっとびしっとしなくちゃいかん」
部下「あの、いえ…」

ああ、何だかあちこちのオフィスで発生しているような会話です。
でも、この会話では有益な情報はやりとりされていません。単純な精神論に陥っておしまいです。
では、もうちょっと建設的な会話を考えてみましょう。

△ 問いかけによる問題の発見
上司「最近、バグ修正率が低くなっているな」
部下「はっ、気持ちを入れ替えて頑張ります」
上司「いや、気持ちがどうこうではなく、何か《問題が発生しているんじゃないか?》
部下「いいえ、特には大きな問題は…」
上司「では、修正率が落ちている《原因は何だろう》
部下「そうですね…」
上司「今月に入ってから急激に落ちているんだが。開発環境の入れ替えとか?《何か気がつくことは?》
部下「…もしかしたら、先月末から開発部の○○が長期出張していることが影響を与えているかもしれません」
上司「しかし、彼女がメインの開発者なのか?」
部下「ではないんですが、システムに精通していて、他の開発者をよくサポートしていたんです」
上司「なるほど。では現状打開のために、彼女との連絡を…」
部下「そうですね」
上司「それだけではなく、今後に備えて、彼女のノウハウをどう共有するかのプランを…」

これは「問題を察知した上司」と「状況を把握している部下」との会話です。

上司は、部下に問いかけをすることで、原因を探るきっかけを与えています。

当然ながら、いつもいつもこんなにうまく行くとは限りません。でも、頭ごなしに怒るだけでは、部下の心は自由な問題探索を行いません。「ほんとうの原因」ではなく「その場を取り繕うための原因」をでっちあげる危険すらあります。

ですから、上司は根気よく、「ほんとうの原因は何だろう」という問いかけを行う必要があります。それは「いっしょに問題を解決しよう」という態度の表明でもあるのです。

※Photo by webtreats.
https://www.flickr.com/photos/webtreatsetc/4293531423/

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結城浩

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結城浩

書籍執筆者。著書に『数学ガール』『プログラマの数学』『数学文章作法』『暗号技術入門』など。http://bit.ly/hyuki-mm にて「結城メルマガ」をnote配信中。https://bit.ly/girlnote にてcakes連載中。2014年度日本数学会出版賞受賞。

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