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学びを支える要素(学ぶときの心がけ)

結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2016年6月14日 Vol.220 より

電子書籍(epubとPDF)がダウンロードできます。

はじめに

学びを支える要素として、

・時間を掛ける
・成功を体験する
・孤独を避ける

というお話をします。

時間を掛ける

学びというもの全般に通じる話ですが、

 「時間を掛ける」

のは重要なファクターです。

試行錯誤も、知識の定着も、慣れも、探し物も、経験も、反復練習も、全体像の理解も、陥りがちな失敗からの脱却も、すべて「時間を掛ける」ことが必要になるからです。

何かの学びはじめは、ほんとに右も左もわからないもの。とっかかりを見つけては試し、少しでも知識を身につけようとします。難しいトラブルシュートに時間を費やして、自分は無駄なことばかりやっている…と悲しくなることもあります。

でも実は、その無駄に見える時間での経験が、次の一歩に役立ったりします。そのためにも「時間を掛ける」のが大事です。逆に、時間が掛けられない状態のときに「しっかり学べ」といわれるのはつらいものです。

成功を体験する

学びを支えるものとして、

 「成功を体験する」

ことは大事です。

小さなことでかまいません。ちょっとした成功体験でも喜びにつながります。そしてその喜びが、次の学びを支えることになるのです。

結城自身が本を書きながらそれを強く思います。文章を書いてほめられたら、文章をまた書きたくなるからです。それがないとつらい。ちょっとした一言でいいんですよ。

数学の勉強なら、何かの問題が「解けた!」と喜んだり、最初はわからなかったことが「わかった!」と悟ったり、そのような成功体験の意味は計り知れません。言葉で「やりなさい」といわれるよりもずっと深いレベルで、学びを支える力となるのです。

孤独を避ける

学びを支えるものとして、

 「孤独を避ける」

のは想像以上に重要です。

もちろん、学ぶこと自体は孤独が必要なこともあります。他の人といっしょにワイワイやることと、自分がほんとうに納得することとのあいだには直接の関係はないですし、他の人に引きずられずに個人として考えることは大切です。

しかし、それでも「孤独を避ける」ことは、学びを支える要素になります。まちがいなく人間はソーシャルな生き物であり、他の人との関わりを必要とするからです。

・自分が学んだことを何らかの形で伝える相手がいるか。
・自分が何かを学ぶ人が自分の周りにいるか。
・困ったとき、悩んだとき、疑問が生じたときに、それを語る相手がいるか。

つまりは、それが「孤独を避ける」ということなのです。

一時期ならいざ知らず、継続的に孤独なままで学び続けるのは難しいものです。

まとめ

学びを支える要素として、

・時間を掛ける
・成功を体験する
・孤独を避ける

という三点を挙げました。

あなたは、学びを支える要素として他にどんなものがあると思いますか。

そのうち、現在あなたの手元にある要素は何ですか。そして不足している要素は何でしょう。

ぜひ、考えてみてください。

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