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執筆ノウハウは自分のために(文章を書く心がけ)

結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2016年9月13日 Vol.233 より

執筆ノウハウの話。

結城はつねづね、自分の「執筆ノウハウ」をいくら事細かに解説しても、「他人に取られて商売上がったり」にはならないと思っています。誰かの「執筆ノウハウ」を手に入れても、執筆がたいへんな作業であることには変わりないからです。「執筆ノウハウ」を聞いて100の手間が90に減ることはあるかもしれませんが、決して100が10になることはない、と思っています。

そもそも「執筆ノウハウ」を文章化したり、ていねいに解説したりすることで、最もトクをするのは自分自身です。文章化したり、解説したりするうちに、自分の執筆作業が整理されたり、無駄な作業が見つかり、大事なことが浮き彫りになることが多いからです。

だとすると自分の「執筆ノウハウ」を隠すのは、書き手本人にとってむしろ悪い効果を及ぼすかもしれません。

結城は、久しぶりに自分の書いた書籍『数学文章作法』を読み返して、「執筆ノウハウ」をまとめると、自分が一番トクをするという思いを新たにしました。これはいい本ですが、この本を一番活用できるのは結城自身です。何しろ、自分にしっくりくる方法が整理され、まとめられているからです。

「推敲編」の方には説明文を完成まで持っていくノウハウだけではなく、その際に著者が心がけるべきことが書いてあります。昔の自分に「ちゃんとやろう」と言われているようで、読むたびに背筋が伸びます。

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結城は執筆が仕事です。ですから、「執筆のノウハウ」を文章にまとめることが仕事に直結しています。

あなたは、いかがですか。自分の「仕事のノウハウ」や「勉強のノウハウ」について、整理したり、まとめたりしているでしょうか。

自分がふだんやっていることでも、改めて考え直してみることは、大きな意味を持つと思いますよ。ぜひ、試してみてください。

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