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他人にあれこれ言いたくなるとき(コミュニケーションのヒント)

他人に対して批判的なことを言いたくなるのは誰にでもあることです。

「あなたは、何でまた、そんなとんでもないことをするの?」

そんなふうに言いたくなる状況のことです。

少なくとも自分の常識では考えられないような行動をする人、まったく想像のつかないような理由を行動基準にしている人、あるいは自分が何回命じても(お願いしても)その行動をとってくれない人。

大昔、結城が会社に勤めていた頃も、そんな思いにかられることがよくありました。

なんであの人は、ああいうことするかなあ……。ちょっと考えれば、無駄だってわかるだろうに。失敗することが目に見えているじゃないか。こないだも同じ注意をしたよね。

頻繁に、そういう気持ちになったものです。

でも、最近は違う見方をするようになりました。

不思議で不可解で理不尽だとしても、それはあくまで「わたしにとって」の話である。もしかしたら「当人にとって」は合理的なのかもしれない。

そんな見方です。別の言い方をするなら、

何度言っても行動が変わらないなら、この人にはそうするだけの十分な理由がある。
(それを当人が意識しているかはさておき)
(それを当人がよしとしているかもさておき)

ということです。

そして「理不尽な行動を取る理由」というのは、当人にとってはある意味「命がけ」である場合も。

命がけが大げさだとしても、自分のすべてのプライドや存在理由が、そのなにげない行動に掛かっている場合もありうるのです。

なので、他の人の行動にあれこれ口を出すとき(口を出したくなるとき)には、十分な注意が必要だな、と思うようにしています。

「自分は絶対に正しい」と思ったときは特に注意。自分は正しいという意識が、行動の強さに現れ、その強さによって他者を深く傷つける可能性があるからです。

自分は絶対に正しい……と思うときほど、慎重に。

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#コミュニケーションのヒント #コミュニケーション

結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2016年2月2日 Vol.201 より


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書籍執筆者。著書に『数学ガール』『プログラマの数学』『数学文章作法』『暗号技術入門』など。http://bit.ly/hyuki-mm にて「結城メルマガ」をnote配信中。https://bit.ly/girlnote にてcakes連載中。2014年度日本数学会出版賞受賞。