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情報発信者の心構え/執筆したものを有料にする意味/求められている理解のレベル

結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2020年12月22日 Vol.456

目次

・『数学文章作法』は実験レポートに役立つか - 文章を書く心がけ
・情報発信者の心構え
・執筆したものを有料にすることについて - 文章を書く心がけ
・ゼミで求められている理解のレベルがわからない - 学ぶときの心がけ

はじめに

結城浩です。

いつもご愛読ありがとうございます。

気がつけば、今年もあと十日なんですね!

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「次の本」の話。

先日、来年最初に刊行となる本の原稿を編集部に送りました。脱稿です!

恐らく今週にはネット書店などで予約できるようになると思いますので来週の「結城メルマガ」ではアナウンスできますね。

どうぞお楽しみに!

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電子書籍『聖書を読んで思ったこと』の話。

先週、「次の本」を脱稿した勢い(?)で、電子書籍を一冊作ってみました。

『聖書を読んで思ったこと』というタイトル通り、結城が聖書を読んで徒然に思ったことをまとめた本です。

結城は毎朝、最初に聖書の一節をツイートします。そして気が向いたときにそこから続けて思ったことを書きとめることもあります。その文章は、これまでずっと結城浩のお話というWebサイトで公開していました。今回はそれを時系列で並べ、あちこちを簡単に手直ししています。

おりしも、もうすぐクリスマス。無料で配信しているので、PDFをダウンロードしてご笑覧いただければうれしいです。

「結城浩ミニ文庫」には楽しい読み物が他にもありますので、ぜひごらんください。

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「数学ガールの秘密ノート」第15冊目の話。

そして「次の次の本」も執筆が始まっています。こちらは「数学ガールの秘密ノート」シリーズ第15冊目です。

昨日の月曜日にはレビューアさんへの「レビュー依頼」メールを送付しました。いつもの通り、着々と進行中です。

今回もきっと楽しい本になりますよ! 書き進めていくのがいまからとっても楽しみです!

* * *

それでは、今回の結城メルマガを始めましょう。

どうぞごゆっくりお読みくださいね。

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『数学文章作法』は実験レポートに役立つか - 文章を書く心がけ

質問

大学で私の書く実験レポートの文章がいまいち拙かったり、まとまっていなかったり、体裁が整ってなかったりしていて少し気になっているのですが、結城先生の『数学文章作法』はこんな悩みに向いていますか。

回答

ご質問ありがとうございます。

あなたの悩みが「実験レポートの形式に固有の問題」ならば、拙著はあまり役に立たないかもしれません。『数学文章作法』は、実験レポートの書き方についての本ではないからです。

それに対して、あなたの悩みが「複雑な状況を言葉で表現したり自分の考察を文章にして伝えたりすることに困難を感じている問題」ならば、拙著は大いに役に立ちますし、実験レポート以外でも役に立つでしょう。

あなたの悩みに拙著が役立ちそうなポイントは、以下の点かなと想像しました。

・《読者のことを考える》という態度を持つこと
・用語を注意深く一貫して使うこと
・複雑なものごとを整理し、階層と順序に注意して書くこと

正直言いますと、あなたが「これからの自分の人生で、他人に読んでもらう文章をたくさん書いていくことになりそうだな」と思っておられるなら、拙著を読んで損することはありませんよ!

以下のページでは、目次と第1章がすべて読めるPDFが無料でダウンロードできますので、ご覧になってみてください。

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情報発信者の心構え

質問

私はTwitterなどで、有益だと思う情報を工夫して一生懸命に発信しています。でも、それに対する反応がほとんど得られません

そのため「私は、つまらない、取るに足りない人間なのか」と自信を失い、やるせない気持ちになってしまいます。

しかしあるとき、自分が情報の受け手としては、知人が発したコンテンツに接するのでさえも億劫になってしまうことが多いことに気が付きました。

そこから、他人も私と同じように「私が発したコンテンツをさらっと流さずにある程度の注意を注いで消費するということはなかなか考えにくいのではないか」と思いました。

この、コンテンツの発信者と受信者の間にそもそも熱心さに関して非対称性があることをふまえて、発信者として気に病まないように発信を続けていく心構えなどありましたら、アドバイスをいただけないでしょうか。

よろしくお願いします。

回答

ご質問ありがとうございます。

自分がせっかく情報を発信したのに反応がないので失望してしまうお気持ちはとてもよくわかります。

でもあなたが書いておられるように、情報の受け手としての自分を考えてみると、ほとんど情報の送り手に反応しないものですよね。つまり、情報を受け取ることと、送り手に反応を返すことの間にはギャップがあるのです。そこで「反応がない」を「読まれていない」と誤認しない工夫が必要になってきます。

情報発信者の心構えというほど大げさなものではありませんが、心に留めておくとよさそうな考え方を四つほどご紹介します。

・パーセントのオーダー
・情報と発信者の分離
・長期的視点に立つが、待つだけでもない
・ポートフォリオ重要

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