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学びの秋がやってきた。

今年の秋は、学びの秋だ。

中学時代に身につけること、
高校時代に身につけること、
若い時代に身につけること、
それを「何」にするかはあなたの自由だけれど。

あなたの秋は、学びの秋だ。

この時代に、この季節に、
あなたがぶつかったものは、あなたの宝になる。
あなたが学ぼうと考えたものは、あなたの糧になる。

受験がどうこうという狭い話をしているのではない。
本当の意味で、あなたの宝になり、糧になると言ってるのだ。
あなたが、一生のあいだエネルギーを汲み続ける井戸を掘るための秋がやってきた。

私は、毎日数学読み物を書いている。
その80%以上が高校時代に自分が考えたことが土台となっている。
表面的には、最近学んだことが題材だけれど、
それを題材にしようとする心や、
学んだことを言葉にする基礎能力は、高校時代に手に入れた。

今年の秋は、学びの秋だ。

得意なことを伸ばすもよし。苦手なことを克服するもよし。
とにかく力一杯この秋を過ごそう。
思い切ってアクセル踏んでもいいじゃないか。
周りからバカじゃないのと思われてもいいじゃないか。
バカにされるくらい、真剣に学んでみよう。
その体験をした人にしか見えない世界が見えるはずだ。

今年の秋は、学びの秋だ。

自分の非力さを嘆くヒマがあるなら、
他人の皮肉に心悩ますヒマがあるなら、
その時間を使って「自分の学び」をしよう。

今のあなたにしかできない学びが必ずある。
それをがっちりやろう。
時間を注いで、自分のうちに力を蓄えよう。

今年の秋は、学びの秋だ。

あなたが学びに費やした時間は、あなたのものだ。
他人から決して奪われない。
誰にも盗まれない宝物になる。
他人の活動を気にする時間を、
自己の学びに注ごう。注いでみよう。
その試みはきっと、あなたの未来を作るはず。

中学生、高校生、大学生、いや社会人でも、
ここぞというところで力を発揮するために、今、学んでおこう。
自分の時間を、意識的に「学び」に向けよう。

お小遣いや給料の多寡を気にするくせに、
自分の時間を気にしないのは間違いだ。
お金は後から取り返せる。
若い時間は決して取り返せない。

学べ、学べ、若人よ。
過去はすでに過ぎ、未来はまだ来ない。
あなたが学べるときは今しかない。

今年の秋は、学びの秋だ。

あなたはこの秋、何を学ぶ?


結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2016年9月20日 Vol.234

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