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「何がうれしいのか」という問いは数学を学ぶための大切な武器(学ぶときの心がけ)

数学でよく使われる「何がうれしいのか」という問いは、学びの上でとても大切です。この文章では、この問いがどんなふうに大切なのかをお話ししていきます。「学ぶ人」はもちろんのこと「教える人」もぜひお読みください。
結城浩のメールマガジン 2018年2月6日 Vol.306 より

「何がうれしいのか」という問い

数学では、

 「そのようにすると、何がうれしいかというと」

のような言い回しがよく使われます。

・このように定義すると何がうれしいかというと……
・この命題が成り立つと何がうれしいかというと……
・係数を√πにしておくと何がうれしいかというと……

という具合にたいへん自然に使います。

使い慣れている人には意識しないほど当たり前の表現なのですが、説明のために「数学ガール」からいくつか例を挙げてみましょう。

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