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ほととぎす夢か現か朝露のおきて別れし暁の声

読人しらず 古今和歌集641 #jtanka 

ほととぎすよ。あれは夢だったのか、それとも現実だったのか。朝露が降りるころに起きてあの人と別れた朝に聞いた、おまえの鳴き声は。

「夢か現か(ゆめかうつつか)」の「……か……か」は自分に疑いを持つことを表す表現。「夢だろうか、それとも現実だろうか」の意味。

「朝露のおきて別れし」は「朝露+の+おき+て+別れ+し」。「の」は主語を表す格助詞。「おき」は動詞「おく」の連用形で、ここでは「置き」と「起き」の掛詞。「て」は接続助詞。「別れ」は動詞「別る」の連用形。「し」は過去を表す助動詞「き」の連体形。「朝露のおきて別れし」は「朝露が置くころに起きて別れた」の意味。

「朝露の」は「置く」の枕詞。

「置く」はカ行四段活用の動詞で「か|き|く|く|け|け」と活用する。

「起く」はカ行上二段活用の動詞で「き|き|く|くる|くれ|きよ」と活用する。

ほととぎす ゆめかうつつか あさつゆの おきてわかれし あかつきのこゑ
ほととぎす ゆめかうつつか あさつゆの おきてわかれし あかつきのこえ

※Photo by webtreats.
https://www.flickr.com/photos/webtreatsetc/5459627931/

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