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意識して文章を書くようになったのはいつからですか(文章を書く心がけ)

結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2016年2月23日 Vol.204 より

●テトラちゃんからの問いかけ

テトラちゃんから、

 「意識して文章を書くようになったのはいつからですか?」

という質問をいただきました。

結城は『数学ガール』や『数学ガールの秘密ノート』を毎日のように書いているので、登場人物の数学ガールたちや「僕」とは、頻繁におしゃべりをしていることになります。先ほどの質問は、あるとき急に高校生のテトラちゃんが言い出したもの。

結城はとっさにうまくは答えられなかったのですが、(少なくとも私自身には)考える価値のある問題のように感じました。

テトラちゃんから問われてすぐに思いついたのは、小学校の「読書感想文」のことでした。記憶をざっと探って見つかった最古の「意識して書いた文章」ですね。

●読書感想文のエピソード

読書感想文の題材は、ジュール・ヴェルヌ『80日間世界一周』でした。翻訳が誰だったかは覚えていません。また感想文の内容もあまり覚えていません。読書感想文の形にはなっていたけれど、ありがちな文章だったと思います。「ここに感動しました。主人公のこんなところにどきどきしました」という具合に。

では、結城がなぜこの文章を思い出したか。どうして「意識して書いた文章」としてこの読書感想文を思い出したのか。その理由は、この感想文を読んだときに言った「教師のひとこと」にありました。国語の先生は、結城少年の作文を読み、よく書けていると喜びました。そして、感想文のある箇所を指して教師はこう言ったのです。

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