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現代は、自分が自分の先生になる時代(学ぶときの心がけ)

イチローさんが「第24回イチロー杯争奪学童軟式野球大会」の閉会式で語ったメッセージの中に「自分で自分を教育する」という話題が出ていました。

厳しく教えることが難しい時代に、誰が教育をするのかというと最終的には自分で自分のことを教育しなければいけないんだ、という時代なのかなと思います。僕は野球選手になって、学生のときはそういう風に思えなかった。厳しい先生がいたので…。今のみんなが生きてる時代はそれがすごく大切になるということを覚えておいた方がいいかもしれないですね。それはお父さん、お母さんも覚えておいてほしいことですね。

イチロー氏のラストメッセージ全文掲載 24回で大会に幕(中日スポーツ2019年12月22日)

我田引水になりますが、2019年11月に上梓した『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』は、たまたまイチローさんのメッセージに呼応する形となっています。拙著の中でも「自分で自分を教育する」ことが重要ポイントとして「自分が自分の先生になる」という表現で出てきました。

結城は、学ぶためには《自分の理解に関心を持つ》という態度が大事であるといつも書いています。考えてみると、誰かの理解に関心を持つ態度というのは、先生の態度ですね。生徒が理解しているかどうかに関心がない教師はいません。少なくとも良い先生は一人残らず、生徒が理解しているかどうか、何をどのように理解しているかに関心があるはずです。

ですから《自分の理解に関心を持つ》というのは、まさに自分が自分の先生である意識を持つことに直接関係しているといえるでしょう。

イチローさんは現代を「厳しく教えることが難しい時代」と表現していました。教育について考えること、先生のあり方について考えることは、他の誰かの問題ではなく、自分自身の問題でもあります。なぜなら、自分が学んでいくためには、自分が自分の先生になる意識が必要になるからです。

結城にとって『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』を上梓できたことは大きな意味を持つのだな、と改めて思いました。

あなたは学ぶ人ですか。
あなたは、自分自身の先生になっていますか。

結城浩のメールマガジン 2020年1月28日 Vol.409 より

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