あふれでる中から選ぶ(文章を書く心がけ)
※この文章は結城メルマガVol.222からの抜粋です。
「文章を書く心がけ」のコーナーです。
今回は「あふれでる中から選ぶ」というお話。
* * *
文章を書くときには「あふれでる中から選ぶ」のが大事だと思っています。
たとえば語彙。
文章を書くというのは言葉を並べていく仕事ですから、どのような言葉を使うかは本質的です。そして貧弱な語彙しかなかったら、言葉の選択肢は限られてきます。それは書き手として不利。豊かな語彙を持っていたら、より適切な言葉を選ぶことができるでしょう。
たとえば実例。
読者にわかりやすい文章を書くためには、読者が親しみやすい実例を持ってくることが大事です。そのためには実例の引き出しをたくさん持っていることが必要。相手の年齢に合わせて、興味関心に合わせて、既知の分野に合わせて、実例を選ぶことができれば、よりわかりやすい文章が書けるでしょう。
たとえば構成や文体。
読者は多様なものです。多様な読者に受け入れてもらうためには、いろんな文章を構成できる力を持っていたほうがいいでしょう。いつも説明口調、いつもマニュアル風、いつもアジテーション、いつも夢見がち……そういうワンパターンではなく、必要に応じて自由に文章を構成できるなら、そしてそこから選択できるなら、新鮮な文章が書けるはず。
さて。
話を展開してきましたが、ここまではいわば「あおり」です。次にこれらをひっくり返していきましょう。
だって、こういう「あふれでる中から選ぶ」というのは、とても難しいことですから。それができれば苦労はないよ、という話でもあります。ですから、もう少していねいに検討する必要がありそうです。でないと、現実的になりませんからね。
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