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心配事に心がとらわれてしまう

質問

心配事がどうしても気にかかってしまうときがあります。

後で考えると大したことではなくても、一度心配になってしまうとそのことに心がとらわれてしまいます。

そういうとき、どう考えると楽になるでしょうか。

結城浩のメールマガジン 2020年1月7日 Vol.406 より

回答

ご質問ありがとうございます。

心配事というのはどうしても気にかかりますよね。

そもそも、気にかからなければ心配事として認識されないので、当然といえば当然のことですけれど。

あなたが「後で考えると大したことではない」という経験をお持ちなのはとてもいいことだと思います。

結城のお勧めの方法は「心の中で考える」のではなく「紙に書いて考える」ことです。紙を広げて、そこに「○○のことが心配だ」と書きます。もちろん、○○の部分はあなたが埋めるのです。

それから次の行に「後から考えれば、大したことじゃなかった……となるのかもしれないが、どうしても気にかかる」と紙に書きます。機械的にそう書くという意味ではなく、あなたの正直な気持ちを書くという意味です。

さらに次の行に「どうして○○のことが心配かというと……」のように、あなたが○○を心配な理由を紙に書いていきます。たとえば「○○が○○するんじゃないかと思うからだ」と書くわけです。

普段なら「心の中で考える」心配事を、一つ一つ丁寧に紙に写し取っていくのですよ。

紙に書いていく作業を、どこまでも続けます。内容はもちろん、あなたの具体的な心配事に合わせて書きます。あくまで一例ですが、こんなふうになるでしょう。

 ○○をすると、○○さんが○○と言ってくると思う。
 ○○と言われるのはいやだ。
 先月から言われていないけれど、言われたらいやだ。
 ○○さんだけじゃなくて、○○さんの態度も関係している。
 三日前に○○に出かけたときに……

そんなふうに、できるだけ具体的に、できるだけ数字や人名や地名を折り込みながら書いていきます。あなたが心の中で背負っているものをすべて紙に写し取ることを心がけます。あなたが心に思い浮かべる表現や言い回しも、紙にぜんぶぜんぶ書いちゃいます。

このようにして、あなたの心が抱えている事柄を紙に写し取り、あなたの心のざわついた気分を紙に写し取り、あなたの心があーだこーだ言い合っている言葉を紙に写し取ります。

書いているうちに気付くことも書きます。「いまにして振り返ると、大したことじゃない」「結局実害は発生しなかった」「○○さんも認めてくれた」……のように、正直な気持ちでぜんぶ言葉にしましょう。

しばらくの時間、紙と格闘すれば「あなたの心をとらえていること」はすべて紙に写し取ることができるでしょう。あなたの心が「○○したらどうしよう」といったら、紙の当該箇所を指さして「それはここに書いてあることだね」と答えてあげましょう。あなたの悩める心に対して、あなたが紙で答えます。解決策である必要はなくて、自分の心が抱えているものをぜんぶ紙に写し取ったかどうかを確認するのです。

そんなことしてどうなるかって?

まずは、やってみてください!

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