有明のつれなく見えし別れより暁(あかつき)ばかり憂きものは無し
壬生忠岑(みぶのただみね) 古今和歌集625 百人一首30 #jtanka
明け方にまだ残っている月が薄情なものに見えたあの別れの朝から、夜明け前の時分くらい気が滅入るものは無くなりました。
「有明」は「明け方になってもまだ空に残っている月」のこと。
「つれなく」はク活用の形容詞「つれなし」の連用形で「薄情である」という意味。
「見えし」は「見え+し」。「見え」はヤ行下二段活用動詞「見ゆ」の連用形で「見える」の意味。「し」は過去の助動詞「き」の連体形。「見えし」は「見えた」の意味。
「暁」は「夜明け前のまだ暗い時」のこと。
「ばかり」は、打ち消しの言葉を下に付けて最高の程度を表す助詞。「暁ばかり……は無し」で「暁ほど……はない」の意味。
ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし
※Photo by webtreats.
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