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教える仕事に不安/FAQを書く/小難しい文章/問題解決のための状態開示/文系と理系/

結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2021年4月6日 Vol.471

目次

・FAQでは「はい」か「いいえ」かを明確に - 文章を書く心がけ
・自分の状態を適切に開示することは問題解決で重要 - コミュニケーションのヒント
・「文系」「理系」をめぐって
・小難しい文章が書かれる理由 - 文章を書く心がけ
・新たに始まる数学を教える仕事に不安 - 教えるときの心がけ

はじめに

結城浩です。

いつもご愛読ありがとうございます。

現在執筆中の『数学ガールの秘密ノート』第15作目はようやく第5章まで来ました。もう4月になってしまいましたよ……しかし、めげずに進みます。

引き続きがんばっていきましょう。

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自宅での運動と継続する仕組みの話。

結城は、朝夕の散歩の他に「ステッパー」という足踏み運動器を使って運動不足にならないようにしています。

「運動不足にならないように」と一言で書きましたが、何もなかったら運動なんてできませんので継続する仕組みを考え、運用しています。その話を簡単に書きますね。

ステッパーで足踏み運動をするときの曲を、私は個人的に「運動曲」と呼んでいます。テンポとリズムが重要で、自分に合った曲をYouTubeで選ぶようにしています。

定番の運動曲はRADWIMPSさんの「大丈夫」と、DAOKOさんの「はじめましての気持ちを」です。

◆大丈夫 RADWIMPS MV
https://bit.ly/3dmScnB

◆DAOKO「はじめましての気持ちを」MUSIC VIDEO
https://bit.ly/39z3eFr

ところで、運動を開始するときにいちいちYouTubeを開いて「運動曲」を鳴らすのはひと手間掛かります。このひと手間が曲者で、運動を継続するさまたげになります。

そこで、自分が運動するとき用にworkout(ワークアウト)というプログラムを作りました。自分用に即席で作ったぐちゃぐちゃのプログラムなので公開はできませんが、以下のような機能を持っています。

workout NICKNAME」の形式でコマンドを入力します。すると、NICKNAMEというニックネームで指定されたYouTubeの運動曲を自動的に再生します。ニックネームは自分で前もって決めておきます。

たとえばRADWIMPSさんの「大丈夫」の場合、私は「daijobu」というニックネームをつけているので「workout daijobu」と入力します。するとブラウザが起動して「大丈夫」を流し始めます。DAOKOさんの「はじめましての気持ちを」のニックネームは「hajime」です。

自分の「運動曲」は、workoutプログラム内部にニックネームとURLをペアにして記録し、メンテナンスします。「この曲は運動曲によさそう」というものが見つかったら追加し、「ちょっとこれはテンポが遅すぎる」と感じたら削除するのです。

運動曲はこれまでに86曲をセレクトし、アクティブな曲として46曲がリストアップされています。運動曲はその日の気分で決めます。

さらに、workoutプログラムは起動してから3分後に「ポーン」という電子音を流すようにしています。終了音というわけですね。これによっていちいちタイマーセットをしなくても3分間の運動を実現できます。

そしてまた、workoutプログラムを起動するたびにデータファイルに「今日の運動」を記録し、1ステップで「結城浩の作業ログ」にそれを記入できるようにもしてあります。「がんばって運動したよ!」とアピールする相手(購読者さんという他者の目)を意識すると継続しやすくなるからです。

以上、まとめます。

・運動用の器具を用意する。
・運動用の音楽(運動曲)を用意する。
・コマンド一発で指定した運動曲を再生し、3分で終了音を鳴らす。
行った運動を作業ログに記録しやすくする。

このような仕組みを用意することで、運動を継続しています。

いま記録を確認してみたところ(記録重要)、2020年9月5日から記録を開始し、現在までに481回の「ステッパーによる運動3分間」を継続していました。約7ヶ月継続できていることになりますね!

以上、自宅での運動と継続する仕組みのお話でした。一人で継続するのは難しいですが、プログラムと「他者の目」の助けを借りているのです。

* * *

それでは、今週の結城メルマガも、どうぞごゆっくりお読みください。

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FAQでは「はい」か「いいえ」かを明確に - 文章を書く心がけ

ネットで技術的な調べ物をしているときに「よくある質問と回答」を読むことがしばしばあります。いわゆる「FAQ」ですね(Frequently Asked Questions)。

ところでそのFAQを読んでいるときに、

 「はい」か「いいえ」かを明確にしてほしい

とよく感じます。

例を挙げます。

 Q.このシステムで○○はできますか。
 A.はい。このシステムでは……
 Q.このライブラリはバージョン●●に対応していますか。
 A.いいえ。このライブラリは……

このように、回答の冒頭に「はい」や「いいえ」が明確に書いてあると非常に読みやすく、理解しやすくなります。これは当然の話ですね。回答の最初で方向性が明示されることは大切です。

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