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章をまとめるときに考えていること/自慢のサイン/聖書の読み方/ChatGPT

結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2024年6月25日 Vol.640



はじめに

おはようございます、結城浩です。

KADOKAWAグループのシステム障害の話。

2024年6月28日、KADOKAWA Corporationの臨時ポータルサイトで「ランサムウェア攻撃による情報漏洩に関するお知らせとお詫び」という公式情報が出されました。

◆KADOKAWA Corporation
https://tp.kadokawa.co.jp/

ネットでは、虚実入り交じった様々な情報が飛び交うことが予想されます。セキュリティは常に注意すべきことですけれど、いつも以上に注意を怠らないようにしたいですね。

この機会に、自分が使っている種々のサービスの登録状況をチェックするのはいいことです。サービス内のアプリ連携を見直すことはその一つ。たとえば、次のようなことが考えられるでしょう。

  • お試しでアプリ連携したけど使わなくなったアプリがあったら、連携を解除する。

  • 大事なサービスであるにも関わらず、アプリ連携が唯一のログイン手段だったら、メールアドレスの登録を検討する。

もちろん、複数サービスでパスワードを使い回さないのは基本中の基本です。ぜひ、ご注意ください。

結城浩のメールマガジンは「note」と「まぐまぐ!」と「ニコニコチャンネル」で同一内容を配信していますが、ニコニコがサービス停止しているのに伴い、Vol.637以降ニコニコチャンネルでの配信を一時的に停止しています。ニコニコチャンネルでの配信が再開してから未配信の分をお送りする予定です。ご了承ください。

* * *

それでは今週のメルマガも、どうぞごゆっくりお読みください。



目次

  • 偶然、良い本に出会う方法

  • 7月分は先着順で決まりました - 結城浩の談話室

  • ChatGPTで画像を貼れるの便利

  • 一つの章をまとめるときに考えていること - 本を書く心がけ

  • 蔵書の中に自慢のサイン本はありますか

  • 聖書をどんなふうに読んでいますか





偶然、良い本に出会う方法

質問

結城さん、こんにちは。書店や図書館で「偶然、良い本に出会う方法」があれば教えてください。

回答

ご質問ありがとうございます。

そういう方法を駆使して出会ったとしたら、それを「偶然の出会い」といえるかどうか、いささか疑問になりますが……。

まあ、それはそれとして、

  • 自分がふだん見ない本棚を眺めてみる

  • いつもは手に取らない本を手に取ってみる

というのはオススメですね。

書店や図書館に行き慣れている人は、自分のお気に入りの巡回コースがあると思います。そのコースをわざと逆回りにたどったり、いつもとは違う入り口からはいったりなど、とにかく「いつもと違う」ことをやるのがいいですよ。すると、いつもと違う出会いがあります。

ぜひ、お試しください!



7月分は先着順で決まりました - 結城浩の談話室

結城は「談話室」という「ビデオをオフにした状態でZoomを使い、マンツーマンで自由におしゃべりするネット企画」を行っています。そこで交わされた対話は「ここだけの話」ということでプライベートに保たれ、公開はしないのですが、概要は参加者の許可を得てネットで公開しています。

◆結城浩の談話室

* * *

2024年6月29日(土)の「結城浩の談話室」では、転職を行って新たな職場で働き始めた30代の男性とお話ししました。

新しい職場での仕事の進め方について考えられており、それに関わる情報交換や意見交換を行いました。

この方は、社会的に広い視野を持つと同時に、プライベートと仕事の切り分けもバランスよく保てていらっしゃる様子で、結城はおしゃべりしながらたいへん爽やかな気持ちになりました。

素敵な時間をありがとうございます!

* * *

さて、ここからは結城の話です。

先週は、2024年7月分の「談話室」の申し込み〆切がありました。

今回は3日分の空きスロットがありましたが、申し込み〆切までにご応募してくださった方はいらっしゃいませんでした。「談話室」を一年以上継続してきましたが、ご応募がなかったのは今回が初めてのことですね。

申し込みがなかったので、7月の談話室はおやすみにしようかな——とも思ったのですが、それもちょっとさびしいので無料ニュースレター「談話室通信」にスポット予約のお知らせを流しました。連絡してくださった方から「先着順」で受け付けますというお知らせです。

すると、あっというまに3日分の空きスロットにお申し込みがあり、7月分の予定が確定しました。ありがたいことです。大がかりに「申込期間」などを設けるよりも、今回のようにシンプルな「先着順」にした方が気楽に申し込めるんでしょうかね。どうなんでしょう。

そういえば、これまでの「談話室」の申し込みでも、あるいはサイン本無料プレゼントのときも、あるいはまたセールのときも、ユーザさんのアクセスは最終日に集まることが多かったのを思い出しました。もっと正確にいうと、申込期間の「初日」と「最終日」にアクセスが多くなる傾向がありますね。

いずれにせよ、7月いっぱいの予定が全部埋まったので、ほっとしました。結城は、毎週土曜日にさまざまな方とおしゃべりをするのがとても楽しみなんですよね。

* * *

ということで「談話室」の申し込みは現在のところ一時停止しています。おそらく7月のどこかで8月以降の申し込み受付を再開します。次回の申し込みを「先着順」にするか、いつもと同様に「申込期間」を設けるかは検討中です。

◆結城浩の談話室

関心がある方は無料ニュースレター「談話室通信」にぜひご登録ください。

◆結城浩の談話室通信(談話室の連絡をする無料ニュースレター、送信頻度はひと月に一回程度)




ChatGPTで画像を貼れるの便利

プログラムを書くときにChatGPTをよく使います。最近はそれほどコードを書かないので、CopilotではなくChatGPTを使うことが多いですね。

プログラムを書くときに生成AIを使うのは、具体的なコードを書くための助けをしてもらうためでもありますが、そもそも、どういう技術的解決方法があるかという大枠を知りたいためでもあります。ピンポイントで技術的な内容がわかるサンプルプログラムを書いてもらえるのはいいですね。

自分が知らないプログラミング言語を使う場合、アシストしてもらえるのは本当に助かります。自分で言語仕様を調べたり実験したりする手間が大きく省けるからです。また自分がよく知っているプログラミング言語であっても「最近はこういう書き方をするようです」などとアドバイスをもらうこともあります。いい時代になりました。

また、必要なプログラムそのものを生成AIに書いてもらうだけではなく、テストデータなどを作ってもらうのもうれしいことです。

* * *

最近とてもいいと思うのは、ChatGPTなどの生成AIが「画像を貼り付けるインタフェース」を持っている点です。

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