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子供に深く考えてもらいたいが、どうすればいいのかわからない(教えるときの心がけ)

※この質問は「高校生、好きなことを見つけるにはどうするか」に関連したものです。

質問

結城先生。子供が好きなことを見つけるために、本や人や出来事に出会う必要があるとは理解するのですが、どうしたら、ただ漫然と生活している子供に「出会うための行動」を取ってもらえるでしょうか

私が「動機付けのスキル」を上げるしかないのでしょうか。または、出会わなければならないわけではなく、目の前のことを愛するために、当たり前のように存在するものに疑問を持たせられたらそれでいいのでしょうか。でも、そこでも、子供に深く考えさせられる「問いかけの引き出し」を私がいかに持っているかになってしまうのでしょうか。

子供と話していて「深く考えている子」もいれば、「カタコトでしか言葉が返って来なくて、掘り下げられない子」もいます。深く考えられる子供にするために、私が問いかけのテクニックやスキルを身に付けることが肝要なのでしょうか。ただ、それでも限界があると思うのです。子供が自分を表現する語彙力がないと結局は難しいのではないかということです。そうすると、子供に文章を読んでほしいことになります。

でも、これでは、最初の「どうやって、子供の行動を引き出せるのか」に戻ってしまいます。文章を読むという行動を引き出すには、私が、何らかの動機付けを細かくできないといけません。それでは堂々巡りになってしまい、悩んでいます。

また子供は、文章は簡潔に書けたらそれでよいと思ってしまうのです。誰かを説得したい願望がないからかもしれません。でも、本当は、細かく、理由や根拠も実例も反証もあらゆる思考を全て文字にして、長々と書いてみる方がよいのでしょうか。正直、キーワードを盛り込むことで簡潔に書いて満足するのは、自分の頭の中に全てあれば充分であり、わざわざ全てを文字にするのはめんどくさいとかは自己満足に過ぎないのでしょうか。隙間があるかもしれないと思わないのは、過信に過ぎないのでしょうか。読み手がいたとしても、丁寧に伝えるよりも、読み手が思索すればよいと思うことは自己中なのでしょうか。

ここまで書いてきて、子供と交換作文日記のようなものをひたすら続ければ、上記の悩みは解決するかもしれないと思いました。もちろん、私からの質問力によるものが多そうだとは思うのですが、そこは、私も磨く努力するしかないのだと。そうすることが、子供の深い思考に繋がるのだと。

結城先生の思われるところをお聞かせください。

結城浩のメールマガジン 2020年6月30日 Vol.431 より

回答

ご質問ありがとうございます。

お子さんの年齢がよくわかりませんが、あなたご自身のお子さんの話題だと思って回答しますね。

注意:以下には、あなたのご質問に対して私の思うところを率直に書いていますが「こうすればうまくいく」のような簡単な解決法を示しているわけではありません。ご了承ください。



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