古今和歌集を読む

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心をぞわりなきものと思ひぬる見るものからや恋しかるべき

心をぞわりなきものと思ひぬる見るものからや恋しかるべき

#清原深養父 (きよはらのふかやぶ) #古今和歌集 0685 #jtanka #短歌 #恋 心は理屈に合わないものだとどうしても思ってしまいます。もしそうでなければ、あなたとこうして逢っているのに恋しいなんてことがあるでしょうか。いいえ、そんなことはないはずですから。 「わりなき」は形容詞「わりなし」の連体形。「理(ことわり)がない」ということから「道理に合わない」「どうしようもない」という意味。 「思ひぬる」は「思ひ+ぬる」。「思ひ」は四段動詞「思ふ」の連用形。「ぬる

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今はとて君がかれなばわが宿の花をばひとり見てしのばむ

今はとて君がかれなばわが宿の花をばひとり見てしのばむ

#読人しらず #古今和歌集 0800 #jtanka #短歌 #恋 あなたが「それではね」と言って離れてしまったならば、私はたったひとりで家の花を見て、あなたのことを偲び、あなたがいないことを耐え忍びましょう。 「今は」は「今となっては」「このようになった以上は」の意味で、別れのときに使う表現。 「とて」は引用を表す格助詞。「……と言って」の意味。 「かれなば」は「かれ+な+ば」。「かれ」は下二段活用「かる」の連用形。「な」は完了の助動詞「ぬ」の未然形。「ば」は順接の

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枕よりまた知る人もなき恋を涙せきあへず漏らしつるかな

枕よりまた知る人もなき恋を涙せきあへず漏らしつるかな

#平貞文 (たいらのさだふみ) #古今和歌集 0670 #jtanka #短歌 #恋 枕のほかには知る人もいない恋なのだけれど、せきとめることに耐えられず涙を、そして恋心を漏らしてしまったことだよ。 「せきあへず」は「せき+あへ+ず」。「せき」はカ行四段動詞「堰く」の連用形で「せき止める、妨げる」の意味。「あへ」はハ行下二段活用の動詞「敢ふ」の未然形で「こらえる、たえる」の意味。「ず」は打消の助動詞「ず」の終止形。「せきあへず」は「せきとめることにたえられない」の意味。

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