知的納得を求める気持ち(教えるときの心がけ)
※結城メルマガVol.207より。
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先日、ある方の数学的な問題にネットで答えました。問題に対して正解はどれか、という単純なものではなく、もうちょっと込み入った話です。といっても、数学的な内容としてはそれほど難しい話ではありません。高校の数学くらいでしょう。以下、対話を少し簡略化して表現します。
その方の問題(抱いた疑問)は、
√2という数は確定するのだろうか?
というものでした。
●問題を理解する
ネットでのやりとりですから、リアルタイムに話すわけには行きません。結城がまずその方にお伝えしたのは、
あなたの考えていることや質問を、
ある程度まとまった文章にまとめてほしい。
ということでした。たとえばブログ記事のような形で。
数学に限りませんが、誰かの問題に答えるとき、
答えを出す前に、問題を理解する
というプロセスがどうしても必要です。質問者が何をどう考え、どんな疑問を抱いているのか、もし誤解があるのなら、どこに誤解があるのか、それを理解することを抜きにして適切な答えを与えることはできません。
いつもやりとりしていて、互いの知識や能力をわかりあっている関係なら、問題を聞いて即解答が可能な場合もあるでしょう。でも、ネットで初めてやりとりする相手の場合にきちんと答えるためには、相手が抱いている問題を確かめることが必要になります。
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