絵本の読み聞かせと即興で作る物語
子育ての思い出話です。
子供が幼児から幼稚園くらいの頃のこと。
そのころ、いまから眠ろうとする子供といっしょに布団に入り、絵本を読み聞かせたり、即興でお話を作って聞かせたりしていました。
面白エピソードはいろいろあるのですが、その中の一つ。私は「子供が眠くなるような本の読み方」が得意でした。
どういうことかというと、一日仕事をしてきて、大人(私と妻)はゆっくり過ごしたいわけです。だから、子供には早く眠ってほしい。自分は眠りたくない。
そんなとき、私は絶妙の「眠そうなトーン」を出して、本を読みます。たとえば桃太郎なら、こんな感じになります。
まだお話が始まったばかりなのですが、この時点で、子供はあくびを始めます。
おじいさんとおばあさんが 流れてきた桃を切る頃になると、もうすっかり子供は寝入ってしまいます。
よしよし。これからは大人の時間、妻といっしょにゆっくりお茶でも飲みましょう。
と思って、はっと気がつきます。
私が本を読むのをそばで聞いていた妻も、子供と一緒にぐっすり眠っているのです。まるで私の朗読が「すいみんやく」のように効いてしまったのですね。
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子供といっしょのお布団で、即興でお話を作って聞かせることもよくありました。
物語の登場人物は子供にすることが多かったです。お話を聞いている子供が感情移入しやすいですからね。
たとえば「不思議な手品師」というお話は……
……と話は続いていき、帽子から次々に動物が飛び出してくるのです。「うさぎが飛び出してきました!」などと口で言えばいいので、話はどんどん進みます。
まだ小さかった子供は、そんなお話も目をきらきらと輝かせ、夢中になって聞いてくれます。
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いつものキャラクタが登場するお話も作ったことがあります。《まど》という名前のうさぎが登場するお話や、《めえめえさん》という名前のやぎが登場するお話などです。
やぎの《めえめえさん》は紙を食べるのが好きなので、たいへんスリリングな物語になることが多かったですね。《まど》と《めえめえさん》が切符を買って電車に乗るのですが、《めえめえさん》が切符を食べようとしてしまうのです!
食べられないように切符を持って電車の中を逃げる《まど》。それを追いかけて切符を食べようとする《めえめえさん》。
子供は笑い転げながら、そんなたわいもない話を喜んで聞いてくれました。
そんなお話のいくつかは、以下のページで公開しています。
◆むかしむかし、あるところに
記録によれば、このページは1999年ころに作ったもの。ですから、もう18年も前のことなんですね。我が家にとっては貴重な記録です。このころ笑い転げてくれた子供は、大学をもう卒業してしまいました。
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子供が大きくなってしまったら、もう読み聞かせなんかできませんし、いっしょのお布団で眠るなんてこともありません。
お布団に一緒に入って、絵本を読み聞かせする。眠るまで即興でお話を聞かせる。それは人生の中でとても短い期間にしかできない、特別なことだったのですね。
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その頃の「子供に絵本を読み聞かせる」という経験をもとにして、以下の文章を書きました。これもまた、そのときにしか書けない文章の類かもしれませんね。
◆絵本を読むときのパターン・ランゲージ
「絵本を読むときのパターン・ランゲージ」は全文Webで無料で読めますが、電子書籍でも販売していますので、よろしければどうぞ。
◆絵本を読むときのパターン・ランゲージ(Kindle版)
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