連載から書籍を作るということ(本を書く心がけ)
※ほぼ半分を無料公開しているノートです(結城メルマガVol.054より)
こんにちは、結城浩です。
「本を書く心がけ」のコーナーです。
このコーナーでは、結城が本を書くときに考えていることをお話しします。
今回は「連載から書籍を作る」ということについて。
結城はライターを始めてから何度も「連載から書籍を作る」ということをやってきました。現在は少なくなりましたが、以前はたくさんのコンピュータ雑誌(プログラミング誌)があって、そこに連載をしていました。
連載は毎月、少しずつ原稿を書きます。まとまりはあるものの、量はそれほど多くありません。何ヶ月も連載を続けて、ある程度の分量の原稿がたまったら、書籍化に向けて編集を開始します。
ライターをやったことのない人の中には、
連載原稿はファイルになっているんでしょう?
あとはそれをぜんぶつなげればいいなので、楽ですよね!
と思う方がいます。まあ……原理としてはそうともいえますが、実際にやることはずいぶん違います。
連載と書籍の違いは、一品料理とコース料理の違いにたとえられます。
一品料理は基本的にその「ひとしな」が勝負です。
それに対してコース料理には「全体の流れ」というものがあり、コース料理を構成するひとつひとつの料理は、それ自体がおいしいだけではなく、全体に寄与しなければなりません。
コース料理と同じように、一冊の書籍にも「全体の流れ」というものがあり、各部分が全体に寄与する必要があるのです。
書籍を作るためには、
この本は、全体として、どんな本なのだろう?
ということを、著者が理解していなければならないのです。
連載をやっているときにはてんてこ舞いです。各回を意味あるものにすることで手一杯です。各回がつまらなければ読んでもらえないわけですから。
でも、連載をまとめて本にする際には、いったん手を休めます。そして深呼吸して、
さて、
と考えます。
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