「自分が何を話したか」ではなく「相手が何を聞いたか」が大切(コミュニケーションのヒント)
※全文を公開している「投げ銭」スタイルのノートです。
人に指示をするときに大切なのは「自分が何を話したか」ではなく「相手が何を聞いたか」です。
人に指示をするというのは難しい技術です。指示をする、要求を出す、依頼する…どんな表現でもいいですけれど、要するに何かを人にやってもらう場面を想像してください。コミュニケーションが苦手な人は「自分が何を話したか」だけに気をつけてしまいます。
たとえば、こんなことを言った上司がいたとしましょう。
上司「Aの件は会社1と会社2に連絡してほしい。今日中に頼むぞ。そうだ、会社3にも連絡しておくことにしよう。Bの件もあわせて連絡してくれ」
この指示をした上司は、
・会社1と2にはAの件を今日中に連絡する。
・会社3にはAの件とBの件を連絡する。
と指示したつもりでいました。ところが、指示を受けた部下は次のように聞き取りました。
部下(今日中に、Aの件とBの件の両方を、会社1,2,3のすべてに連絡するんだな)
上司が「話したこと」と部下が「聞いたこと」の間にずれが生じているのがわかるでしょうか。大切なのは「自分が何を話したか」ではなく「相手が何を聞いたか」なのです。そこに気を配り始めると、コミュニケーションの品質は格段に上がります。
ここに例示したのは大きなずれですが、コミュニケーションでは、必ずなにかしらのずれが生じます。そのずれは大きいかもしれませんし、小さいかもしれません。でも、ずれは必ず生じます。ですから、指示しっぱなしはとても危険です。指示をした上司のほうから、あるいは指示を受けた部下のほうから、どちらからでも構いませんから、必ず確認をすることが大事です。
たとえば、部下が、
部下「わかりました。確認ですが、Aの件とBの件の両方を、会社1,2,3すべてに連絡するんですね」
と一言確認すれば、大きな勘違いを防ぐことができるかもしれません。
また、指示をする側も「相手が何を聞いたか」を意識してほしいですね。その意識がないと、必ず「言いっぱなし」「指示しっぱなし」という結果になってしまうでしょう。
しかしながら、コミュニケーションは双方向。上司だけ、部下だけに責任を負わせるのは難しいものです。部下と上司の両方が確認をしあう態度が大事といえるでしょうね。
※Photo by webtreats.
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