見出し画像

紅の初花染めの色深く思ひし心われ忘れめや

#読人しらず #古今和歌集 723 #jtanka #短歌 #恋

初咲きの紅花で染めた色が深いようにあなたのことを深く思っていたこの心を私が忘れることがあるでしょうか。いいえ、忘れることはありません。

「紅(くれなゐ)」は紅花(べにばな)の異称。

「初花染め」は、その年初めて咲いた紅花で染めること(染めたもの)。

色が深いことと、思いが深いことを掛けています。

「忘れめや」は「忘れ+め+や」。「忘れ」は下二段活用動詞「忘る」の未然形。「め」は推量の助動詞「む」の已然形。「や」は反語を表す係助詞。「忘れめや」で「忘れるだろうか、いや忘れない」という意味。

「忘る」には二つの種類があります。意識的に忘れる「忘る」は、ラ行四段活用〔ら・り・る・る・れ・れ〕。つい忘れてしまう「忘る」は、ラ行下二段活用〔れ・れ・る・るる・るれ・れよ〕。この歌の場合は、「忘れ」の後に未然形に接続する推量の助動詞「む」が接続しているので、下二段活用の「忘る」であることがわかります。

くれなゐの はつはなぞめの いろふかく おもひしこころ われわすれめや
くれないの はつはなぞめの いろふかく おもいしこころ われわすれめや

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

いただいたサポートは、本やコンピュータを買い、さまざまなWebサービスに触れ、結城が知見を深める費用として感謝しつつ使わせていただきます! アマゾンに書評を書いてくださるのも大きなサポートになりますので、よろしくお願いします。 https://amzn.to/2GRquOl

結城浩です。《スキ》を送ってくださり感謝。はげみになります!
28

結城浩

書籍執筆者。著書に『数学ガール』『プログラマの数学』『数学文章作法』『暗号技術入門』など。http://bit.ly/hyuki-mm にて「結城メルマガ」をnote配信中。https://bit.ly/girlnote にてcakes連載中。2014年度日本数学会出版賞受賞。

古今和歌集を読む

古今和歌集(こきんわかしゅう)から親しみやすい歌を読みます。やさしい解説付き。ちょっぴり優雅な言葉の時間をあなたに。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。