質問に答える目的は?
質問
Twitterの「結城浩に聞いてみよう」で出てくる、結城さんへの質問とそれに対する回答は、読んでいてとても勉強になるものばかりですね(そういう質問を選ばれてるかもしれませんけれど)。
結城さんは、質問を受けることで新たな発想や気付きを得ることが目的の一つでこの企画をやっているのでしょうか。
今まで結城さんが得た考え方などを若い人たちに還元しようということも目的の一つでしょうか。
結城浩のメールマガジン 2019年9月3日 Vol.388 より
回答
ご質問ありがとうございます。
「新たな発想や気付きを得る」のような高尚な目的については、それほどは考えていません。どちらかといいますと、何となくおもしろそうだからやっているのだと思います。「おもしろそう」というと、真剣に悩みをご相談なさっている人に対して失礼にあたるかもしれず語弊がありますけれど……
みなさんが結城あてに質問を送ってくださり、私はそれに回答する。そのようなやり取り自体が好きなのだろうと思います。「好き」というとまた語弊がありますが……
「私の考えを若い人たちに還元する」といった使命感みたいな気持ちもあまりないです。いや、ないと断言するわけではありませんが、いま私の心を自分で探った範囲ではそれほど意識はしていないようです。
企画の名前通りだともいえます。みなさんが「結城浩に聞いてみよう」という気持ちで質問を投げてくださる。私はそれを読んで答える。そのやりとりそのものが目的といえるかもしれません。
結城はふだん、家族以外とはほとんど誰とも話さずに書き物の仕事をしていますので、この「結城浩に聞いてみよう 」という場を通して他の方とやり取りできるのは、新鮮な気持ちになります。
みなさんからのリアルな質問は、わたしが読者さんのリアルなイメージを思い描くのに、大いに役立っているという側面もあります。結城の文章を読んでいる方は、どのようなことに疑問を抱き、悩み、考えを巡らせるかということを知るヒントになります。
その意味では結果として新しい発想や気付きを得ることも大いにあります。でもそれを目的としているわけではないですね。
結城自身の経験などはたかが知れていますし、年代が違えば当然ながら時代感覚も違います。ですから、あまり結城自身の考えや経験を質問者に押し付ける形にならないようには注意しています。でも、それと同時に、せっかくわたしに質問しているわけですから、わたしなりの考えははっきり述べたいとは心がけています。
これからも応援よろしくお願いいたします。
なお、こちらには別な観点での回答があります。
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