考えることに関心がない生徒(教えるときの心がけ)
質問
はじめまして、日々結城さんのツイッターを拝見しています。
当方は理系大学院生で、個別指導のバイトをしております。
そこの中学二年生の女子生徒に関しての相談です。
その生徒には数学を教えているのですが、まず、まったく興味を示してくれず、こちらの説明も聞こうとしてくれません。
その生徒によれば、数学(に限らず学校で習う科目全般)はテスト勉強の道具に過ぎず、応用問題はどうせ学校でやらないから解きたくないと堂々と公言する始末です。まさに《自分の理解に関心を持つ》ことがまったくない状態です。
生徒が問題を解いている様子を見ると、単純な計算問題は解けるのですが、証明問題などの文章絡みの問題になると、そもそも日本語の意味が入ってこないようです。確かにそれならばやる気をなくすのも理解できます。
問題の意味を説明しても、自分の頭で考えることを極度に嫌っているようです。
正解ギリギリのヒントまで与えないと生徒の手が動かず、しかも答えが書けたとたん自分は最初から分かっていたという素振りを見せ、理解できたことを全然楽しんでいないように見えます。思春期であることも関係してるかも知れませんが……
ということで質問です。
(1)数学や英語を勉強する価値やおもしろさに気付いてもらうにはどうすればよいでしょうか。
生徒に対して、有用性をいくら説いても効果がないことはうすうす予感していましたし、実際拒絶されてしまいました。そもそも、勉強に限らず物事に対する関心の幅があまりにも狭く、さらに「私はアイドル一択だ」と自分から世界を狭めてしまっています。非常にもったいないと思うのですが、どうすればこちらを振り向いてくれるでしょうか。
(2)数学が苦手なこのような生徒に対してはどんな教え方をするのが好ましいのでしょうか。
当方は、数学が自然と好きになったタイプなので、数学にここまで拒絶感を持つ生徒に対してどう適切にアプローチすればいいのか分かりません。とりわけ、厳密性を担保しようとすればするほど苦手意識を増幅させそうで、今後の指導方針に悩んでいます。
非常に長文となってしまいましたが、お時間があればご回答いただけるけると幸いです。
よろしくお願いします。
回答
ご質問ありがとうございます。ていねいに書いてくださったので、状況はよくわかりましたし、そういう生徒は例外的な存在ではなく、日本全国に少なからず(非常に多く)いると私は思います。
しかしながら、これはとても深い話題で、私にも直接的な答えはわかりません。関心の幅が狭く、自分の理解に関心がなく、学校で学ぶことはテストの道具であると心の底から考えている人。そのような人を勉強に向ける方法を私は知りません。
あなたが体感なさっているように「勉強の有用性を説くこと」や「数学の厳密性をアピールすること」は、学ぶことに対して生徒の心を向かわせるとはあまり思えません。
以下で書くのは解決方法ではなく、この話題に関連して私が思うことです。
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