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学んだことを話したい(学ぶときの心がけ)

質問

結城先生、こんにちは。自分は、少し勉強したり、新しいことを聞いただけで、すぐそのことを人に話したくなるのですが、これは勉強不足の典型的なものなのでしょうか……

結城浩のメールマガジン 2018年8月21日 Vol.334 より

回答

ご質問ありがとうございます。

自分が勉強したことや、新しく聞いたことを人に話したくなる。それは、とても自然なことですよ。自分が勉強したことを人に話すのは、誰も不幸にしませんし、自分の学びを深める非常に大事なプロセスでもあります。どんどんやりましょう。

多くの場合、自分が知ったことや学んだことを人に話すのは勉強になるものです。なぜなら、人に話すためには「学んだことを自分の言葉で再構成する必要がある」からです。自分が理解していないことを人に話すのはとても難しいですよね。話すためには自分の理解を整理しなくてはいけないからです。

しかも、人に話したら、質問がやってくるものです。「たとえば、どんなものがあるんですか?」や「どうして、そんなことが言えるの?」や「でも、こういうときだってあるよね?」のように。自分が話したときにやってくる質問、それに答えられるかどうかは自分の理解を確かめるためにいい方法です。

自分が勉強したことを人に話すときに大事なのは、学ぶときと同じです。つまり《わかったふりをしない》ということが大事ですね。人に話していると、たぶんどこかでボロが出ます。うまく話せなかったり、具体例を出せなかったり、十分な根拠を言えなかったりします。そのときにごまかさず「そこはまだ理解していないみたいだ」や「自分の言葉できちんと言えないね」のように認めるのが大切です。ここをごまかしてわかったふりをしてしまうのは大変よくありません。そこだけは注意が必要ですね。

ということで、学んだときに人に話したくなるのはまったくいいことですので、どんどんやりましょう。そして、そのときに聞いてくれる相手は貴重なので、大事にしましょう。

そうそう、あなたは「勉強不足」という単語を出していましたので、それについて覚えていてほしいことがあります。

私たちは誰一人の例外もなく、いつでも「勉強不足」なんですよ。なので、思い切っていきましょう!


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