生徒が数学を楽しめる授業とは(教えるときの心がけ)
質問
将来、高校で数学を教えたいと思ってる大学生です。
「生徒が数学を楽しめる授業」はどんな授業だとお考えですか。
結城浩のメールマガジン 2018年9月4日 Vol.336 より
回答
ご質問ありがとうございます。
第一に「理解できる授業」です。生徒が最も喜びを感じるのは「できた!」「わかった!」「なるほど!」と言う瞬間です。表面的な楽しさではなく、授業の内容に「わかった!」と言えることが大切です。そのためには授業の内容が理解できなくては意味がありません。
第二に「新しさがある授業」です。いくら理解できる授業でも、知ってることばかりならつまらないものです。数学の内容か、提示の仕方か、関連付けか、とにかく何かに「新しさ」を感じないと生徒は飽きてしまうでしょう。授業の前後で生徒の何かが変化しなければ退屈です。
第三に「本物の数学が見える授業」です。授業が理解できて、授業に新しさがあったとしても、すぐにはかなく消える内容ではよくないでしょう。その場限りの知識ではなく、本物につながっている。本物が垣間見える。その魅力があると生徒は喜びます。大げさなものである必要はありません。もう一歩踏み込めるんじゃないだろうか、踏み込んだらすごいものが見えてくるんじゃないかという予感と期待を刺激するのです。
生徒が数学の内容を「理解」するためには、教師が授業よりも前に数学と生徒の両方を「理解」している必要がありますね。生徒が「新しさ」を得るためには、教師自身が「新しさ」を求めていなければなりません。そして「本物の数学」が垣間見えるようにするためには、教師自身が「本物の数学」を学んでいなければなりません。教師の役割は重要です。
数学を教えるというのは、これからの時代にとても大切な役割を担う仕事です。
がんばってくださいね!
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