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大学生のキャリア選択/作業ログとネットラジオ/「思考の言語化」の重要性/

結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2020年3月24日 Vol.417

目次

・「結城浩の作業ログ」と「結城浩のネットラジオ」
・「思考の言語化」の重要性を伝えたい - コミュニケーションのヒント
・大学生、自分のキャリアをどのように選択するか - 仕事の心がけ

はじめに

結城浩です。

いつもご愛読ありがとうございます。

最近の私は、カフェでの作業よりも自宅で作業することが多くなりました。自宅での作業は、人混みを避けるという意味で始めたのですが、自宅での作業に慣れてくると「これはこれでいいな」と思うようになりました。

特にいいのは、気軽に運動できる点。結城は先日彼女に勧められてFitbitというフィットネスウォッチを購入しました。この時計は、「一時間に250歩歩いてね」とうながしてきます。毎時50分になるとブルッと震えて「あと何歩だよ!」と教えてくれるのです。

◆Fitbit InspireHR フィットネストラッカー

自宅だと仕事の途中で立ち上がり、部屋を歩き回ることができますね。カフェだとなかなかできません。

環境の変化に合わせて、自分の変化も楽しんでいきたいと思います。

* * *

新刊の話。

最新刊『数学ガールの秘密ノート/複素数の広がり』の執筆は順調です!

先週月曜日は「いったん脱稿」でしたが、先週末には加筆部分の脱稿も済みました。感謝です。

今週は編集部からの疑問点が送付されてくる予定なので、それを解決して初校向けのファイル整理をする予定です。

それと並行して進めているのが、レビューアさんからの指摘事項の反映です。大きなものについてはもちろんすでに反映させているのですが、細かい指摘事項や検討を要するものをシステマティックに反映させる体制を作りました。レビューアさんとのメールはおおよそ数百件あるので、組織的に注意深く扱う必要があるのです。

2020年5月刊行予定のシリーズ最新作『数学ガールの秘密ノート/複素数の広がり』は現在アマゾンで予約受付中。応援よろしくお願いいたします!

◆『数学ガールの秘密ノート/複素数の広がり』(アマゾン)

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似てないのに似ている曲の話。

ふと「パッヘルベルのカノン」の名前を思い出そうとして「アルビノーニのアダージョ」と言ってしまい「違うよ、ぜんぜん違う」と一人ツッコミしていました。



歩きながら「パッヘルベルのカノン」をふんふん歌っていて、そういえばこの曲なんだっけと思い、なぜかカフカのことを思い出し、不条理感から「アルビノーニのアダージョ」に行ったのではないかと自己分析しています。

そんな話題をツイートしていたら、hiro yasudaさん(@yasudaz)から「この2曲って同じディスクに収録されていることが多い気がします」と教えていただきました。検索してみると本当にたくさんあってびっくりしました。

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書く媒体を考える話。

noteには広告が出ません。それは、書き手としてはとてもありがたいことです。

最近見たあるブログサイトでは、真面目な科学的主張が書かれているブログ記事の前後に、いわゆる「疑似科学」に基づいた商品広告が出ていて、ブログ記事の書き手の主張を台無しにしていました。

あるニュースサイトでは、グラフが何個か出てくる記事の途中に、広告の一部として別のグラフがはさまれて表示され、とても読みにくくなっていました。

あるWebコミック掲載サイトで、お気に入りの作家さんのマンガを見ようとしたら、いきなり過激な内容のコミック広告がポップアップしてきて嫌になった経験もありました。

広告がすべて悪と言いたいわけではありませんし、noteが最高と言いたいわけでもありません。現実の話が単純ではないのも理解しているつもりです。作品を公開しているサイトがなくなったら困りますし、そのサイトがたくさんの読者に読み物を届けるためには、何らかのビジネスをしなくてはいけないわけですから。

でも、ネットで書く書き手は、自分の書いたものを読者さんがどんな環境で見ているかを意識するのは大事だと思います。読者さんにオプションがあるかどうかも含めて意識するのです。自分が配信しているものを《読者の帽子》をかぶって購読し、読んでみる。それは、書き手が実践するといいプラクティスのひとつです。

なお、結城はnoteでメルマガを配信し、cakesで連載していますが、あくまで1ユーザに過ぎません(関係性明示)。

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リマインダの話。

結城はiPhoneで「日曜午後は壁紙を変える」というリマインダを設定しています。同じことを継続するのは好きだけど、マンネリ化するのはよくないので、自分にわずかながらも変化(ゆさぶり)を与えるようにするためです。

iPhoneの壁紙を変えなさいと毎週日曜の午後にリマインドされるのですが、そのたびに軽い驚きがあります。「壁紙を変えることを忘れていた驚き」と「そもそもiPhoneの壁紙に何を設定しているか忘れている驚き」の二つです。

見慣れると当たり前になり、当たり前になると見えなくなってしまうのですね。

ところで最近「ちらっと通知できればよくて、実行するかどうかはそれほど重要じゃないリマインダ」は、iPhoneアプリのリマインダからIFTTTに移しています。自由度がやや高いと感じるからです。今回の「日曜午後は壁紙を変える」もIFTTTに移しました。

IFTTTは「もしもThisが起きたならばThatを行う」というサービスです。Webページがとっても大きな文字で表示されるし、単純なステップ・バイ・ステップで進むので、好きなサイトのひとつ。

◆IFTTT.com(スクリーンショット)

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◆IFTTT.com

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未来の自分が読むために書く話。

調べものをしていて「このことについて、自分は以前どんなふうに書いてたかな」と自著を開きます。すると途中でやめられなくて一冊最後まで読んでしまうことがよくあります。本当によくあるんです。

ひとつの理由は、本は「その時点での自分が最大の労力を注いで書いた文章」なので、自分にとってたいへん読みやすくなっているから。もうひとつの理由は「私の思考にぴったり合うように書かれた構成」になっているから。つまり、文章と構成が自分にぴったりなのですね。

さらに、自分が以前書いた文章は、細かいところを忘れている点も見逃せません。自分の記憶の欠けたところが文章によって的確に補われていく快感は半端ないのです。

ですから、未来の自分が読むために文章を書くこと、強くお勧めします。

* * *

では、今回の結城メルマガを始めましょう。

どうぞごゆっくりお読みください。

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「結城浩の作業ログ」と「結城浩のネットラジオ」

結城はnoteの「サークル機能」を使って、結城が毎日書いている「作業ログ」を有料リアルタイム配信しています。ひと月200円でこれまでの過去ログもすべて読めます。

◆結城浩の作業ログを読めるプラン

現在は約70名ほどが購読なさっています(多謝)。

作業ログはもともと自分で書いているのですけれど、配信することで「これを読んでいる人がいる」と自覚することになります。それは、私にとって重要な意味があります。一言でいうと「少人数に限定された、結城を静かに応援してくれる他者の目の存在を感じる」のが大きなはげみになるのです。

* * *

最近は、いわゆる作業ログからもう一歩踏み出して「記事とまではまとまっていないけど、ツイートよりはまとまっている」文章もときどき出てくるようになりました。

どうも私は次の二つの場所の「あいだ」に相当する場所を作ろうとしているっぽいですね。

・不特定多数に公開する場所(Twitter)
・完全に私だけで作業する場所(通常の執筆作業)

最初からそれをねらったわけではなくて「サークル機能ができたから何かやってみたい!」と思って、いろいろ試しているうちに「自分が求めていた何かを見つけていく」という状態になったようです。

* * *

似ている話題が以前もありましたね。

・自分一人で書き、Webで公開する無料のテキスト
・出版社の編集者も入って、しっかりまとめた有料の本

この二つの「あいだ」に相当する成果物として、次のものを作りました。

・自分一人で書き、Webで販売する有料の電子書籍、メルマガ、note

このときも、最初からそれをねらったわけではなくて「電子書籍やってみたい! メルマガおもしろそう! noteも作りたい!」と思って、いろいろ試しているうちに「自分はこういうことが好きみたい」とわかってきた感じです。

* * *

ところで「結城浩の作業ログ」にあれこれ書いているうちに、作業ログの中に《対話》が自然に出てくることに気付きました。考えを進めながら文章を書いているときに、自分でアイディアを出し、自分でそれにツッコミを入れるような文章です。

いま調べてみたところ、2020年3月10日の「結城浩の作業ログ」で気付いたようですね(実際には3月9日の夜)。

◆「結城浩の作業ログ」で対話の楽しさを対話で書いている箇所

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そして、2020年3月20日(3月19日の夜)には「結城浩のネットラジオ」のことを考え始めていました。

「結城浩のネットラジオ」というのは対話形式の記事を書く結城のWebサイトです。そういうサイトを作ったらおもしろいかも!と考え始めたのです。

そして、2020年3月22日の夜にはだいたい形ができてきました。本を脱稿したタイミングでプログラミング欲が高まっていたのでしょう。

現状については以下のnoteをごらんください。

◆「結城浩のネットラジオ」というWebサイトを作っています。

現在のところ、いくつか向いている用途を見つけています。

たとえば、対話形式で何かを考えていく記事

◆「結城浩のネットラジオ」の現状についての対話。

たとえば、次の「数学ガールの秘密ノート/式とグラフ」のように対話形式で何かを紹介・案内する記事

◆数学ガールの秘密ノート/式とグラフ

たとえば、次の「フィボナッチ数列のお話」のように対話形式で何かを解説する記事

◆フィボナッチ数列のお話

結城が自分用に作っているWebサイトなので、数式やTwitterや画像の埋め込みなどが楽にできるように作りました。自分の使う道具を自分で作れるというのはたいへん楽しいです!

「結城浩のネットラジオ」についてもまたいつか、この「結城メルマガ」で詳しくお話ししましょう。

* * *

折しも、季節は春。

「結城浩の作業ログ」を発端として、新しい何かが始まる予感がしています!

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「思考の言語化」の重要性を伝えたい - コミュニケーションのヒント

質問

結城先生こんにちは。

情報科学の学部を卒業してしばらく経つ人間ですが、情報科学を学ぶにおいても「思考の言語化」は大事だと思っています。

そのことについて、高校生や大学生、大学院生にどのように大事さを伝えたらいいでしょうか。アドバイスくだされば幸甚に存じます。

回答

ご質問ありがとうございます。

「思考の言語化」が大事なのは、確かにそうだと思います。

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結城浩です。うれしいです!ありがとうございます(^^)
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書籍執筆者。著書に『数学ガール』『プログラマの数学』『数学文章作法』『暗号技術入門』など。http://bit.ly/hyuki-mm にて「結城メルマガ」をnote配信中。https://bit.ly/girlnote にてcakes連載中。2014年度日本数学会出版賞受賞。