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さくら花ちりぬるかぜのなごりには水なき空に浪ぞたちける

#紀貫之 (きのつらゆき) #古今和歌集 91 #jtanka #短歌 #春

さくらの花が散ってしまった風がやんだ後でも、水もない空に波のように花びらは舞っているなあ。

「なごり」は「波残り」で「風がやんだ後でも残っている波」がもとの意味。

「ける」は詠嘆の助動詞「けり」の連体形。連体形になっているのは「ぞ〜ける」の係り結びから。

風がやんだ後にはらはら舞っている花びらのようすを、風が止んだあとでも残っている波のようだと感じている。空を海に、花びらを波に見立てている。

亭子院歌合歌(913年)で詠まれたもの。

いまから千年以上前でも、春は春。花は花。いまから千年以上後でも、春は春。花は花。

さくらばな ちりぬるかぜの なごりには みづなきそらに なみぞたちける
さくらばな ちりぬるかぜの なごりには みずなきそらに なみぞたちける

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