逢ふまでのかたみも我はなにせむに見ても心の慰まなくに(読人しらず)
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逢ふまでのかたみも我はなにせむに見ても心の慰まなくに(読人しらず)

#読人しらず #古今和歌集 744 #jtanka #短歌 #恋

逢うときまで(これを見て気分をまぎらわせて)というあなたとの思い出の品なんて、私にとっていったい何になるでしょう。何にもなりませんよ。あーあ、こんなものを見ても心が慰められることはないんですからねえ。

かたみ」は「思い出すためによすがとなるもの」「思い出の品物」「思い出させる記念のもの」の意味。

なにせむに」は「なに+せ+む+に」。「なに」は代名詞。「せ」はサ変動詞「す」の未然形。「む」は推量の助動詞「む」の連体形。「に」は格助詞。ここでは反語を表し、「なにせむに」で「どうしようか、いやどうにもならない」「何になろうか、いや何にもならない」の意。「銀も金も玉もなにせむにまされる宝子にしかめやも」(山上憶良)にも出てくる。

慰まなくに」は「慰めとなることはないのになあ」という詠嘆の意味を含んだ否定。「なくに」は活用語の未然形に接続。ここでは終助詞的に用いられている。

あふまでの かたみもわれは なにせむに みてもこころの なぐさまなくに
あうまでの かたみもわれは なにせむに みてもこころの なぐさまなくに
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結城浩

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本を書いて生活しています。著書は『数学ガール』『プログラマの数学』『数学文章作法』『暗号技術入門』など多数。詳しい活動内容は https://mm.hyuki.net/n/n5f00c9cd281c をご覧ください。2014年度の日本数学会出版賞を受賞しました。