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わがごとく我をおもはむ人も哉さてもや憂きと世を心見む(凡河内躬恒)

#凡河内躬恒 (おおしこうちのみつね) #古今和歌集 750 #jtanka #短歌 #恋

私が恋い慕うのと同じように私のことを恋い慕ってくれるような人がいればいいのになあ。そんな人がいても恋はやるせないものなのか、試してみたい。

「おもはむ人」の「む」は婉曲を表す助動詞「む」で、「私のことを恋い慕ってくれるような人」の意味。

「哉(がな)」は願望を表す終助詞で「……がほしいなあ」や「……があればなあ」の意味。

「さてもや憂き」の「さても」は「そうであっても」の意味の副詞。「憂き」はク活用の形容詞「憂し」の連体形〔から・く(かり)・し・き(かる)・けれ・かれ〕。恋が思うように行かない気持ち。「や……憂き」は係り結び。

「心見む」は「心見+む」。上一段活用の動詞「心見る(こころみる)」の未然形「心見(こころみ)」。未定のことに対する意志を表す助動詞「む」。「試してみたい」「試みてみよう」「試すつもりだ」の意味。

わがごとく われをおもはむ ひともがな さてもやうきと よをこころみむ
わがごとく われをおもはん ひともがな さてもやうきと よをこころみん

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