高校三年生、計画通りに行かなくてイライラするとき(学ぶときの心がけ)
質問
学校の授業は一昨日再開した高三です。
休校期間中に部活は引退となってしまいました。昨日、一昨日は数ヶ月前と違って部活もしていないのに、放課後とても疲れて、いつのまにか寝てしまい、ぜんぜん勉強できていない自分にイライラします。
自分の計画通りに行かないとき、自分自身にどのような言葉をかけたらいいでしょうか。教えていただきたいです。
回答
ご質問ありがとうございます。
計画通りに行かないと、確かにイライラしがちですよね。とてもよくわかります。
いつもと違うのか、いつもと同じなのか
計画通りに行かないときは、大きく分けて二種類あると思います。
(1)いつもと違うことがあるために、うまく行かないとき
(2)いつもと同じはずなのに、なぜかうまく行かないとき
この二種類です。
(1)「いつもと違うことがあるために、うまく行かないとき」は、何といいますか、ある程度はしょうがないです。想定していたことと違っていたわけですから。想定外というやつですね。
ただし、想定外のことが何度も起きるなら、つまり繰り返しうまく行かないなら、計画を変更することが必要になるでしょう。すなわち、現実に合わせて計画の方を調整するのです。
(2)「いつもと同じはずなのに、なぜかうまく行かないとき」は、(1)に比べるとなかなか厄介です。はっきりした原因がわからないからです。でも、思ったようにうまく行かないことを通して、大切なことに気付く場合もあります。
それはたとえば、「意外に自分は疲れているのかもしれない」ということだったり、「心の底に気になることや悩みがある」ということだったり。そういう気付きのことです。
自分としては大したことじゃないと思っていても、心や身体は正直なです。何となくうまく行かないときに、自分の心や身体のケアをすることは大事です。
計画通りに行かないときに自分を攻撃する人がいます。たとえば「私がやることはいつも思い通りに行かない。私はいつだってそうだ」と自己の人格を攻撃する習慣です。あなたがそうだと決めつけるわけではありませんが、もしそういった習慣があるなら、意識して避けるようにしましょう。
「計画通りに進める」から「現実に対処する」へシフト
計画通りに行かないのはイライラしますよね。それにはとても共感できます。そんなときは「計画通りに進める」を第一義にするのではなく「現実に対処する」ことを第一義にするのは一法です。
イライラする気持ちの底には、多くの場合「自分は事態をコントロールできていない」という不快感が含まれます。コントロールできていない場所に立つことは不安なものですし、自己の無力感によってさらにイライラが増してしまいます。
私は、メタな方向に発想をシフトすることがよくあります。自分が抱えている「問題」に直接対処するのではなく、少し高い視点に立って「自分の問題対処の方法」に対処するのです。
「計画通りに進める」方針を「現実に対処する」方針に切り換えるのもメタな方向に発想をシフトしているといえそうです。
計画通りに行かないときに、思うように動かない自分に注目するのではなく「この現実の中で自分にできることは何か」と考えるのはいいことです。
自分自身に優しく声を掛ける
ところで、あなたの場合には、
突然始まった長い休み
なかなか先が見通せない不安定な毎日
長い休みからの登校
部活動の休みの中での引退
のような、大きなストレスと変化を長期間に渡り体験しているわけですよね。そこで疲れるのは無理もありません。また、眠りというのはものすごく大きな力を持ちますから、大切なプロセスだと思いますよ。
そしてまた、あなたがいま感じているイライラと似たものを、世界中で数多くの人が感じていそうです。
あなたの周りの人、たとえば同じ部活をやっていた仲間もあなたと同じように感じているかもしれませんね。友人との関係に依存しますけれど、あなたの感じていることを親しい友人と分かち合うのも役立つかもしれません(逆効果になることもありそうですが)。
あなたはいま、大きな変化の中にいるわけですから、ぼちぼち行きましょう。自分自身に「こういうこともあるよ」と優しく声を掛けてあげましょう。
ご質問ありがとうございました。
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