香山哲『プロジェクト発酵記』/プレゼン準備にこだわり過ぎ/我慢が必要な習慣を身につける/わくわく感が持てず、どうせ自分はダメだと思う/
結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2023年1月31日 Vol.566
はじめに
こんにちは、結城浩です。
最新作「数学ガールの秘密ノート」第16冊目はちゃくちゃくと進行しています。
先日は編集部からやってきた疑問をすべて解決し、編集部に組版用の原稿を送付しました。これでかなり前進しました。応援感謝です!
ここから初校→再校→刊行という流れになります。スケジュールの関係で春先になると思いますが、もうしばらくお待ちくださいね。
◆「数学ガールの秘密ノート」第16冊目
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そして結城は、今年2023年のメインとなる仕事に取りかかろうと準備中です。
企画概要書を書いたり、参考書を買いそろえたり、アイディアメモを書いていったり……ある意味では一番楽しい時間を過ごしているともいえます。
しかし、いつも書籍執筆の原則は変わりません。《読者のことを考える》という愛の原則を忘れずに進んでいきたいと思ってます。
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さらに今週からWeb連載「数学ガールの秘密ノート」の新シーズンが始まります!
早くもシーズン39です。また新たなテーマで始まりますので、こちらの方もご期待ください!
◆Web連載「数学ガールの秘密ノート」
ここしばらくWeb連載はオフシーズンでしたが、そのあいだも新たにWeb連載《読み放題》に参加してくださる方が何名かいらっしゃいました。結城の活動へのご支援ありがとうございます!
Web連載《読み放題》は公開済みWeb連載「数学ガールの秘密ノート」の記事380本を、ひと月500円で自由に読めるというものです。これは、結城の活動にとって大きな支援となりますので、もしよろしければあなたもご参加いただければ感謝です。
◆Web連載「数学ガールの秘密ノート」《読み放題》への参加について
なお、新たにご参加くださる場合には、月初めのご参加をおすすめします。月末に参加すると、すぐに新たな月になって課金されてしまうためです。ご注意ください。
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それでは今回の結城メルマガもどうぞごゆっくりお読みください。
目次
香山哲『プロジェクト発酵記』を読む
普通の小説は書かないのですか - 文章を書く心がけ
プレゼン準備にこだわり過ぎてしまう自分 - 仕事の心がけ
作家として独立して活躍するためのビジネスをどのように学んだか - 仕事の心がけ
我慢が必要な習慣を身につけるには
わくわく感が持てず、どうせ自分はダメだと思ってしまう - 人生を歩む
香山哲『プロジェクト発酵記』を読む
香山哲さんのコミック『プロジェクト発酵記』を読みました。連載コミックをどのように作っていくか、その「プロジェクト」の進め方、考え方を描いた本です。香山さんの有名な『ベルリンうわの空』と同様に、独特の雰囲気を持った一冊になっています。
連載コミックのプロジェクトといっても、マンガの描き方を解説しているわけではありません。自分の少なからぬ時間を使って行う活動をどうとらえるかという非常に広い視野での発想法が描かれていますので、どんな人にも役立つ内容になっていると思います。
特に個人のクリエイタ系の人にはおすすめです。コミックで解説してあるので非常に読みやすくなっています。また、考え方を押しつけたり、あおりもしない表現もうれしいですね。「こうしなきゃダメ」みたいな部分がまったくないのです。やさしくていねいに、プロジェクトと自分との付き合い方が描かれています。
自分の時間との関係を探りながら進む様子はとてもいいですね。
『プロジェクト発酵記』の中には「自分にインタビューする」という項目があって、これは非常にお気に入りです。言われたことや現実に自分を当てはめるところからスタートするのではなく、リラックスした状態で自分の気持ちを素直に語ってもらうところからスタートする。
私は年末から年始に掛けて読んでいたのですが、2023年以降の長期的な考えを練ろうとしているタイミングでぴったりの本でした。
◆香山哲のプロジェクト発酵記
普通の小説は書かないのですか - 文章を書く心がけ
質問
結城先生は「数学ガール」みたいな数学物語や、「数学ガールの物理ノート」のような物理に関する対話を書いていらっしゃいますが、数学や物理を扱わない「普通の」小説を書きたいと思ったことはありますか。
回答
ご質問ありがとうございます。
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