「もちろん」のプライド、「ちょっと」の弱気(コミュニケーションのヒント)
口癖には、その人の姿勢が見え隠れすることがあります。
■たとえば「もちろん」が口癖の人
後輩「先輩、この関数を呼ぶ前には、この構造体は初期化すべきなんですか?」
先輩「もちろん、そうだよ」
...
後輩「先輩、こちらのファイルはもう削除してもいいんですか?」
先輩「もちろん、削除していいさ」
...
後輩「先輩、さっきのMakefileは修正が必要ですよね」
先輩「もちろん!直さないとまずいよ、もちろん」
異常な頻度で「もちろん」を連発している人の話を聞くと、何だか「相手よりも優位に立ちたがる話者の姿勢」が透けて見えることがあります。
■たとえば「ちょっと」が口癖の人
先輩「そういえば、あのモジュールの開発は進んでる?」
後輩「あ、ちょっとライブラリに問題があって、ちょっとうまくビルドできなかったんですよ」
先輩「え、それっていつから?」
後輩「ちょっと工夫すれば直ると思ってたんですが、ちょっと手間取っていて」
先輩「でも昨日の進捗会議では発言しなかったよね」
後輩「あ、ええと、あのときにはちょっとコンパイルオプションのせいだなとちょっと思っていて、会議の後でちょっと試せばいいなとちょっと思っていたんですけれど、やってみたらやっぱりちょっと駄目で……」
異常な頻度で「ちょっと」を連発している人の話を聞くと、「話者の感じている不安や弱気」がこちらまで伝わってくることがあります。
■自分の口癖をチェック
人の口癖には寛容になったほうがよいですが、自分の口癖はときどきチェックしたほうがよいかもしれません。
本人にとっては単なる口癖なのに、相手に誤った印象を与えてしまうからです。
ちなみに…筆者は「もちろん」や「ちょっと」が口癖で、自分自身の言葉がとても気になります。もちろん、人よりも優位に立ちたいと常に思っているわけではないはずなのですが……。口癖にはちょっと注意したいものですね。
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