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基礎の欠落を感じるがエンジニアとしてがんばりたい(人生を歩む)

質問

33歳エンジニア1年生です。

十代前半で母を亡くし父もどこかに行ってしまい、自分の好きなことなど考えるひまもなく給料で会社を選び、やはり無理があって思いっきり別の業界に飛び込んでみたりと、いろいろ転職してきました。

高校は県でトップのところに行きましたが、大学は絶対浪人しないところ、つまり行けるところに行きました。

ブートキャンプに参加して、幸運なことにとてもいい会社に拾ってもらい、エンジニアとなって半年経ちました。

まわりは情報工学を出た皆様ばかりなので、基礎が欠落しているのは私だけのように感じてしまい、気持ちが焦ることもあります。でも初めて楽しいと思える仕事なので頑張りたいです。

連休にアプリの試作を試みても環境構築だけで終わってしまったり、documentを読んでもスッとわからないことが悔しくて、「高校大学などでの基礎がないから」とか「夢中になってゲームなどをしたことがないから」などと生い立ちのことを思い出して、しんみりしてしまうことがあります。

でもエンジニアは「これだ!」と思えた職業なので頑張りたいです。

めげずに学びつづけるためのアドバイスをいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。

結城浩のメールマガジン 2021年1月12日 Vol.459 より

回答

さまざまな困難を越えて手応えのある職業にたどりついたのですね。それはすごいことです。本当にすごいことだと思いますよ。

あなたのように「自分には基礎が欠落している」と感じるエンジニアの方は少なくありません。しかし、あなたは前向きに考え、がんばろうとしています。それもまたすごいことです。

人というものは、まずい状況が起きたときに、自分の中の「欠け」に目が向いてしまいがちです。

 「ああ、やっぱり自分は○○だから……」
 「私は○○をしてこなかったから……」
 「結局何をやっても○○だから……」

そのような思いがフッと浮かぶのです。それは誰しも多かれ少なかれあることです。そしてまわりの人とどうしても比較してしまいがちです。誰でもそうです。でも、そこに「ひたらない」のが大切ですね。

私はむしろ「人生に無駄なし。すべてが相互に働いて益となる」と思うように心がけています。自分が体験してきたことはどんなものも肥やしとなり、自分を自分たらしめてくれる糧となっているのだ、ということです。

もちろん、悪いとわかっている環境に居続けるのはよくありませんが、自分の力ではどうにもならないこと(過去のこと、過ぎ去ったこと)に目を留めるのではなく、前を向いて進むことが大切ですね。

私たちはみな「現有戦力で最善を尽くす」ことしかできません。完全にすべての準備が出来て進むわけではなく、誰しもあちらこちらに欠けや不足を抱えたまま進むのです。いうなれば、靴の紐を結びながら走り続けています。この業界は特にそうですね。

あなたは「めげずに学び続けるためのアドバイス」と表現しました。あなたのそのお気持ち自体が、あなたの大きな財産です。あなたは、「めげずに学び続けることが大切である」と知っているからです。

あなたの毎日が、仕事が、生活が、豊かな実を結びますようにと祈っています。がんばってくださいね。


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