あな恋し今も見てしか山賤の垣穂に咲ける大和撫子
ああ恋しい。いまも逢いたいなあ。山里の家の垣根に咲いている大和撫子のように愛しいあの娘に。
「あな」は「ああ」の意。感情が高まったときに発する言葉で、形容詞の語幹(シク活用の場合には終止形)が続く(ここでは「恋し」)。
「見てしか」の「てしか」は実現が困難なことに対する願望を表す終助詞(「て」+「しか」が一語になった)。「見てしか」は「逢いたいなあ」
「山賤(やまがつ)」は、山里の粗末な家のこと。
「垣穂(かきほ)」は、家の囲いや垣根のこと。
「大和撫子(やまとなでしこ)」は草花の名前。「撫でし子」に掛けて「愛しい子」の意味も含む。
あなこひし いまもみてしか やまがつの かきほにさける やまとなでしこ
いいなと思ったら応援しよう!
あなたからいただいたチップは、本やコンピュータを買い、多様なWebサービスに触れ、結城が知見を深める費用として感謝しつつ使わせていただきます! アマゾンに書評を書いてくださることも大きな支援になりますので、よろしくお願いします。
https://amzn.to/2GRquOl