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あな恋し今も見てしか山賤の垣穂に咲ける大和撫子

#読人知らず #古今和歌集 #0695 #jtanka  

ああ恋しい。いまも逢いたいなあ。山里の家の垣根に咲いている大和撫子のように愛しいあの娘に。

「あな」は「ああ」の意。感情が高まったときに発する言葉で、形容詞の語幹(シク活用の場合には終止形)が続く(ここでは「恋し」)。

「見てしか」の「てしか」は実現が困難なことに対する願望を表す終助詞(「て」+「しか」が一語になった)。「見てしか」は「逢いたいなあ」

「山賤(やまがつ)」は、山里の粗末な家のこと。

「垣穂(かきほ)」は、家の囲いや垣根のこと。

「大和撫子(やまとなでしこ)」は草花の名前。「撫でし子」に掛けて「愛しい子」の意味も含む。

あなこひし いまもみてしか やまがつの かきほにさける やまとなでしこ

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