会社員二年目、受け身の人生から抜け出すために「自分のしたいこと・できること」を探したい
質問
自分のしたいこと・できることを模索している会社員二年目です。
結城さんに、自分のしたいこと・できることの探し方を聞いてみたいです。
話が少し長くなってしまうのですが、自分は中学生・高校生のころ無造作に本を読むことが好きで、その中に「数学ガール」もありました(夢中で読んでます。ありがとうございます)。
大学も数学科を目指していました。ただ実際の進路では当時のクラス担任にいわれるがまま、プログラミングを学べということに逆らうこともできずに情報科に進みました。
時は流れ、いまは取引先の業務システムに関わる仕事に就かせてもらってます。どちらかというと画面を作るデザイナーですが。
一日中、PCとにらめっこして画面を作る仕事をしてると、自分は言われたことをただ単にしていていいのかという問いにかられることがあります。
いままでの人生、本を読むにしても進路にしても仕事にしても「受け身な人生」だったことを悔やんでいます。
そこで、「発信する活動」を多く行っている結城さんにうかがいたいのですが、こんな受け身の人生から抜け出すために必要な自分のしたいこと・できることの見つけ方があれば、教えていただきたいです。
この問いは、今まで他の人にも聞いたことはあります。ある人から「自分の胸に聞いてみろ」と言われたこともあります。でも、もう少し具体的な方法を探している所です。
結城浩のメールマガジン 2018年6月5日 Vol.323 より
回答
ご質問ありがとうございます。
これは重要な質問です
これは非常に重要な質問だと思いつつ読みました。あなたに対する適切な回答になるかどうかはわかりませんが、少し書きたいと思います。
まず、結城がどうして重要な質問だと思ったかをお話しします。結城は先日、ある方とお会いしました。その方は私よりも少し年配の方で、しっかりした仕事をなさっている方です。でも、結城と気軽な雑談をしているときに、その方がふとこうおっしゃったのです。「私も、結城さんのようにクリエイティブな『自分ならではの仕事』をしてくればよかった」と。
私は、その方はしっかりしたお仕事をしていて、家族を守っておられ、りっぱな方だと思います。でも、そのような方がいまの仕事とは違う「自分の夢」を語り始められたので、ちょっとびっくりしました。
最近、私の近親者が亡くなったことも関係していますが、私自身しみじみと思うことがあります。それは「人生というのはほんとうに短い」ということです。高齢社会になったとはいえ、人生はほんとうに短い。仕事ができる期間というのもほんとうに短い。自分に与えられた「限られた時間」を何に向けるかというのは、個人にとって極めて重大な問題なのです。ある意味では人生最大の問題です。
そんなふうにここしばらく考えていたものですから、会社員二年目のあなたが「受け身の人生から抜け出す」と思うのは重要なことだと思ったのです。平均的に考えるなら、私や先ほど言及した年配の方よりも、あなたにはずっと多い「これからの時間」があるからです。これから十年、二十年、三十年という時間を何に振り向けるのか。それは大事なことです。
さて、あなたが尋ねている「自分のやりたいこと、できることの見つけ方」ですが、正直わたしにはもよくわかりません(ごめんなさい)。しかし、もしかしたらあなたの参考になるかもしれない話をふと思いつきましたので、それを書こうと思います。結城自身が現在のような活動をする経緯の話です。
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