見出し画像

どうすれば数学ガールが書けますか(本を書く心がけ)

質問

結城先生、僕は高校生で、先生の書いた『数学ガール』が大好きです。こんなに夢中になって読んだ本はありません。数学も面白いのですが、数学を解くのがこんなに夢中になる話になるのはすごいです。僕もいつか絶対にこういう本を絶対書きたいと思いました。

それで質問ですが、どうしたらこういう本が書けるんでしょうか?

結城浩のメールマガジン 2012年4月10日 Vol.002 より

回答

ご質問ありがとうございます。

私の書いた『数学ガール』を夢中になって読んでもらえるなんて、著者として最高にしあわせです。こんなことを書くのは変ですけれど、私自身もこの本を書くとき、あなたと同じように夢中になっていますよ!

「絶対にこういう本を書きたい」とあなたは思っておられるのですね。まず、そのような思いを持つのはとてもすばらしいことだと思います。本は、いつの時代でも大きな役割を持っています。本がもたらす喜びは特別です。あなたもぜひ、読者が夢中になる本を書いてください!

でも「どうしたらこういう本が書けるんでしょうか?」という質問に簡単に答えるのはすごく難しいです。以下、少し長くなりますが、本を書くことについて考えてみます。

  • 『数学ガール』を書くまでの経緯

  • あなたが書くべきものをしっかり捕まえる

  • 『いまから自分が書こうとしている本の書き方』という本はない

ここから先は

1,895字 / 1画像

¥ 200

いただいたサポートは、本やコンピュータを買い、さまざまなWebサービスに触れ、結城が知見を深める費用として感謝しつつ使わせていただきます! アマゾンに書評を書いてくださるのも大きなサポートになりますので、よろしくお願いします。 https://amzn.to/2GRquOl