あおるセリフと素直な返事(コミュニケーションのヒント)
「あんたのやっている仕事なんか、誰でもできるよ」や「あんた、こんなことも知らないのか」などと人を馬鹿にしたり、あおったりするセリフがあります。それに対する返事を考えていました。
ケンカごしに返事すると、相手のあおる土俵に乗ることになるのでおもしろくないですね。実は「素直に返事する」のがいいのではないかと考えました。
たとえば、こんなふうになります。
「あんたのやっている仕事なんか、誰でもできるよ」
「はい!」
(会話終了)
もしも自分のやっている仕事が、誰でもできるものならば「はい」と答え、そうではないなら「いいえ」と答える。それで会話は終了です。
素直に答える方法は、汎用性が高いですね。
「あんた、こんなことも知らないのか」
「はい!」
(会話終了)
「あんたのやってる研究なんか自分にもできるよ」
「はい!」
(会話終了)
「あんたが書いてる本なんて、誰だって書けるさ」
「はい!」
(会話終了)
もともと「あおるセリフ」というのは「あおる」ことが目的なので、あおられる側がそれに反発しなければマウンティングとして成立しにくいんですね。「売り言葉に買い言葉」とはよくいったもので、相手が売りつけてくる「あおるセリフ」は買わなければ何も起きないのです。
結城の発想は、ここから別の方向に進みました。
「あんた、こんなこともできないのか!」
「ふふふ、教えてあーげない(はーと)」
(恋の開始)
「ふん!千尋っていうのかい?」
「はい!」
(湯婆婆との契約開始)
以上「あおるセリフと素直な返事」というお話でした。
結城浩のメールマガジン 2018年10月16日 Vol.342 より
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