「メールの書き方」を説明するのはどうして難しいか(コミュニケーションのヒント)
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こんにちは、結城浩です。
「メールの書き方」を説明するのは難しいものです。
「メールの文章をどう書きますか?」という問いに答えようとすると、たいていは「場合による」あるいは「相手による」という答えになります。
「では、仕事のメールはどう書きますか?」と質問を絞ったとしても答えはあまり変わりません。やっぱり「場合による」あるいは「相手による」になります。
メールの相手がお客様なのか、同僚なのか、上司なのかに応じて、メールの書き方は変わるでしょう。相手がどういう人で、自分とどういう関係にあって、相手がこのメールに求めているものは何で、自分がこのメールで相手に伝えたいことは何か…そういったことはすべて「相手との関係」そのものになるからです。
メールは人間関係。だから「メールの書き方」を説明するのは難しい。
ここで、逆に考えてみましょう。
つまり「メールの書き方」を「文章をどう書きますか?」という問いとしてとらえるのではなく「相手のことをどう考えますか?」という問いとしてとらえてみるのです。
「どう文章を書いたらよいだろう?」の前に、「相手に伝えたいことは何だろう?」を考える。
「時候のあいさつはどう書くべきか?」の前に、「現在の相手の様子はどうかなあ?」と想像する。
メールに気持ちを向ける前に、相手に気持ちを向ける。
相手をイメージできて、相手が必要としていることがイメージできたなら、大きな進歩です。
メールを書いたなら、読み返してみましょう。そして、そのメールを読んだ相手の反応をイメージしましょう。それが期待した反応ならば、そのメールは良いメールです(少なくとも、自分にとってはね)。
よく考えてみると、文章作法のほとんどすべては《読者のことを考える》から始まるもの。メールの書き方も同じなのですね。
「相手のことを考える」
そして、これは要するに「相手を愛しなさい」ということなのでしょう。
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