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「本を出したい」を形にする/esappをドット・プライベート化/紙のメモ/推理小説と数学の証明

結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2024年1月16日 Vol.616



はじめに

おはようございます、結城浩です。

『群論への第一歩』の話。

結城浩の最新刊『群論への第一歩』の作業、先週は再校ゲラについて編集部からの質問に回答していました。出版社によると刊行は2024年2月末の予定でしたが、出版スケジュールの関係で3月頭に変更になるとのこと。刊行がちょっぴり先になりますが、もうちょっとお待ちください。

本書は「大学数学をもう一度やりなおすきっかけにしたい」という方や、「数学書はなかなか読みこなせないので、その準備運動がてら読みたい」という方にぴったりの本です。また、これから大学で数学を学ぶ方にとっても助けになる本だと思います。贈り物にもいいですね!

先週もお伝えしましたが、再校段階の原稿をもとにした「Web立ち読み版」がこちらにあります。どんな感じの本になるのかは、Web立ち読み版でつかむことができます。ぜひどうぞ!

◆結城浩『群論への第一歩』(Web立ち読み版)

また、以下の公式ページに各種情報をまとめてありますので、ご確認ください!

◆結城浩『群論への第一歩』(公式ページ)


「結城浩の談話室」の話。

結城は毎週土曜日15:00-16:00に「談話室」という企画を実施しています。これはビデオをオフにしたZoomを利用して、あらかじめ予約した方と二人で自由におしゃべりするというネット企画です。

結城はたくさん文章を書き、メルマガやSNSやブログや本やメールを通じて読者さんとコミュニケーションを取っています。でもそれはほとんどが文字ベースでのやりとりです。声を使ってリアルタイムに一対一のコミュニケーションを取る場として「談話室」はいつも楽しみです。

リアルタイムの音声コミュニケーションというとTwitter(現X)の「スペース」がありますが、それだと一対多という形になってしまい、私が求めているものとは、ちょっと違うと感じています。どうせなら、「文字ベースでは伝えにくいぼんやりした考え」や「うまく言葉にならない気持ち」などもやりとりできるようにしたいので、あまり大人数では不適切なのです。

「談話室」については、この結城メルマガで何度も触れてきましたね。始めたのは2023年の5月末〜6月頭ころで、これまでに約30回ほど実施することができました。

現在は2024年2月の申し込み(三回分)を受付中です。先着順ではありませんが、早めに申し込みいただけると(状況がよくわかるので)助かります。今回の申し込み〆切は来週の火曜日(2024年1月23日)になります。

申し込みフォームへのリンクや、これまでのやりとり、また最新情報を配信する「談話室通信」への登録は以下の公式ページから。いっしょにおしゃべりしましょう!

◆結城浩の談話室(2024年2月の申し込み受付中)


Web連載「数学ガールの秘密ノート」の話。

新シーズンが始まりました!

◆「これ、なーんだ!」(Web連載シーズン42エピソード1)

Web連載「数学ガールの秘密ノート」は、結城が自分のWebサイトで自主的に連載している楽しい数学読み物です。毎週金曜日に最新話が更新され、十話(つまり十週間)で一つの「シーズン」になります。

◆Web連載「数学ガールの秘密ノート」

Web連載の最新話は一週間無料で読めます。特に、無料ニュースレター「お知らせメール」に登録すると読み逃しがありませんので、ぜひご利用ください。

◆数学ガールのお知らせメール(登録無料)
https://mathgirls.hyuki.net/

また、ひと月500円でこれまで十年以上書き続けてきたすべて(411本)が読み放題になります。よろしければご支援をお願いいたします。

◆読み放題プランへのご参加について

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それでは今週のメルマガも、どうぞごゆっくりお読みください。



目次

  • 「本を出したい」を形にする - 結城浩の談話室

  • 作業ログの書き込みツールesappをドット・プライベート化したお話

  • 紙のメモ、大活躍 - 仕事の心がけ

  • 推理小説と数学の証明は似ていますか - 学ぶときの心がけ





「本を出したい」を形にする - 結城浩の談話室

2024年1月13日(土)の「結城浩の談話室」では、数学に関わる本を書いてみたいと考えている30代はじめの男性と二人でおしゃべりしました。出版社との関係や執筆の動機についてイメージがつかめていなかったようなので、結城が本を書くようになった経緯や「本を書く」ことのイメージをお伝えしたところ、たいへん喜ばれました。そこからさらに「書きたいこと」に重きを置く姿勢や《読者のことを考える》意味についても話し合うことができました。この方が持つ「数学が好き」という気持ちから、新たな一歩が生まれることを期待しています。がんばってください!

◆結城浩の談話室

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さて、ここからは結城の話です。

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